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8月の世界平均気温 7月に続き過去最高レベル。世界気象機関(WMO)が発表。年間でも観測史上最高の「暑い年」の公算。WMO事務局長、「地球は『新たな標準』に入った」と警鐘(RIEF)

2016-09-17 23:45:25

WMOキャプチャ

 

 国連の世界気象機関(WMO)は16日、今年8月は同7月と並んで史上最も気温の高い月だったと公表した。年間を通じても、2016年は過去137年間の観測史上で最も暑い年になるとの見通しを示した。

 

 WMOは、米航空宇宙局(NASA)と、欧州中期気象予報センター(ECMWF)のデータを踏まえ、観測史上最も暑い夏となった7月に続いて8月も同水準の高い気温を記録した、と判断した。

 

 今年8月の世界の平均気温はこれまで最高値だった2014年の気温より0.16℃高かった。また陸上、海洋の両方の温度が過去最高となった。また1951年~1980年の8月の平均値よりも0.98℃高く、地球全体で、ほぼ1℃の気温上昇が確認された。

 

 WMOの事務局長、Petteri Taalas氏は「我々は異常な暑さが長期化する事態を迎えている。そうした暑さが地球の気候の新たな“標準”になろうとしている」と指摘、温暖化現象によって、すでに地球の気候の在り様が変わっていることに警鐘を発した。

 

 同事務局長は「こうした現象の増加は、世界の気温上昇を産業革命以前から1.5~2.0%以内にとどめることを目指したパリ合意の早期実施の必要性を示している」と、各国に向けて政策対応の緊急性を訴えた。

 

 米国家海洋大気局(NOAA)は20日に、8月の観測結果を公表する。WMOはそれに先立って、国際的な観測データを集めてまとめた。

 

 今年の後半には、太平洋の赤道付近の海洋の温度が平均より下回るラニーニョの発生が予想されている。ラニーニョが発生すると、エルニーニョとは逆に、気温低下現象が予想されるが、Taalas氏は「ラニーニョの予想は不確実で、今年は年間を通しても過去最高気温だった昨年を上回り、もっとも暑い年になるだろう」と予測した。

 

 また9月前半の気温も、欧州の多くの地域では30℃を上回る水準を記録しており、現在の状態が続くと、9月も過去最高の暑い月になりそうという。

 

 温室効果ガスのCO2濃度も、7月時点で 401.72 ppmと、昨年7月の393.13ppmを超えている。2016年はCO2濃度400ppmに乗せた点でも、新たな“標準”の年として記録されることも間違いなさそうだ。

http://public.wmo.int/en/media/news/extraordinary-global-heat-continues