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インドのモディ首相 パリ協定批准を表明。ガンジーの誕生日の10月2日に。「質素な暮らし」の必要性を象徴(各紙)

2016-09-26 10:54:38

ganziキャプチャ

 

 各紙の報道によると、インドのモディ首相は25日、地球温暖化対策の新枠組みのパリ協定を「インド独立の父」ガンジーの誕生日である10月2日に批准すると述べた。質素を旨としたガンジーの暮らしを、インドの温暖化対策の象徴とする考えを示した。

 

 地元タイムズ・オブ・インディア(電子版)が伝えた。モディ首相は南部ケララ州での演説の中で、協定批准を明言したという。首相は「ガンジーは生涯、温室効果ガスの排出を最小にとどめた」と述べた。インドは世界全体の温室効果ガス排出量の4.1%を占めており、同国が批准すると、批准国の総排出量は世界全体の50%を上回る。

 

 パリ協定の発効には、批准国が世界全体の55%を占め、その合計温室効果ガス量が世界の総排出量の55%以上を占める条件を満たす必要がある。現在は、米中など60各国が批准し、国数基準を満たしている。排出量基準は47.76%で、インドの4.1%を加えると、51.86%になる。

 

 インドはBRICSの一員として経済成長が著しいが、その一方で貧困層の撲滅が課題となっている。経済成長のためには、エネルギー消費が必要となることから、これまでパリ協定の批准には慎重な姿勢をとっていた。しかし、温暖化の進展に伴う、干ばつや海面上昇などによる影響も顕在化しつつあることと、温暖化対策の再生可能エネルギー事業などへの海外資本の導入を増やすことなどを目指して、パリ協定の批准に踏み出すことにしたとみられる。

 

 インドはパリ協定の署名で、国別の温室効果ガス削減目標として、2030年までに国内総生産(GDP)当たりの温室効果ガス排出量を33~35%(2005年比)削減する自主目標を設定している。