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低炭素社会実現目指す企業団体「Japan-CLP」 COP22での日本のリーダーシップ発揮と、企業の脱化石燃料の推進、そのための炭素への価格付け政策導入を政府に求める声明(RIEF)

2016-10-07 18:37:07

Japan CLPキャプチャ

 

 持続可能な脱炭素社会実現を目指す企業団体「日本気候リーダーズ・パートナーシップ(Japan-CLP)」は、11月7日からモロッコ・マラケシュでの第22回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP22)に向け、日本が2℃(1.5℃)目標と整合した長期温室効果ガス低排出発展戦略の策定をリードするよう求める声明を発表した。

 

 J-CLPの声明は、COP22に出席する関係大臣(環境大臣、経済産業大臣、外務大臣)に送付された。J-CLPはリコー、富士通、イオン、オリックスなど12社の会員と、花王、東京海上日動など19社の賛助会員で構成する。温暖化対策の強化については、日本経団連などの既存経済界は反対の姿勢を通しているが、J-CLPの構成企業はむしろ温暖化対策を新たなビジネスチャンスととらえるところが多い。

 

 声明は「気候変動は将来の危機ではなく、国民の生命や生活を脅かし、企業活動にも多大なリスクとなる、既に顕在化した危機である」と指摘、パリ協定を踏まえて持続可能な成長を可能にする脱炭素社会づくりに向けて、内外の動きを加速する必要があると強調している。 またパリ協定で各国が約束した国別目標(NDC)では、世界の気温上昇を産業革命以前からの2℃以内にとどめ、できれば1.5℃に抑えるという目標の達成には不十分だとして、追加的な対策を求めている。

 

 その主な内容は①2℃(1.5℃)削減目標と整合性のある各国の長期温室効果ガス低排出発展戦略の策定②NDCを段階的に引き上げるプロセスの構築③上記のプロセスの透明性の確保と、国や非政府セクターによる相互評価の仕組みの構築ーーなどだ。

 

 さらに、パリ協定の批准で出遅れた日本が、COP22における交渉をリードするためには、脱炭素化活動に経済価値が見出せる新たな経済システムへの転換を進める、炭素への価格付け政策の導入を主張している。価格付けにより、投資家や顧客からの正当な評価がなされ、企業による技術革新の進展やイノベーションの活発化が期待できるとしている。

 

 炭素への価格付け政策の導入については、排出権取引制度や炭素税の設定などの選択肢がある。ただ、日本経団連などはこれまで一貫して反対の姿勢をとっている。J-CLPの指摘が、経済界全体にどう受け入れられるかが焦点だ。

 

http://japan-clp.jp/index.php/press/113-2016-04-15-05-45-47