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GPIF 「スチュワードシップ推進課」を設置。課長に元三井住友信託銀行の小森博司氏。ESG運用を推進へ(RIEF)

2016-10-12 17:09:06

GPIFキャプチャ

 

  年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は年金積立金の運用に際して、ESG(環境、社会、ガバナンス)なども踏まえて中長期的な投資収益の拡大を図るため、市場運用部の中に「スチュワードシップ推進課」を新設した。

 

 GPIFは投資原則として、長期的な観点からの運用や分散投資などを定め、その一つとして、「株式投資においてスチュワードシップ責任を果たすような活動」をうたっている。

 

 スチュワードシップ責任は、金融庁が示す「日本版スチュワードシップ・コード」を受け、機関投資家等に対して、投資先企業との建設的な対話(エンゲージメント)などを通じて、当該企業の企業価値の向上や持続的成長を促すことで、年金受益者の中長期的な投資リターンの拡大を図る責任とされる。

 

 新設した課は、まさにGPIFがスチュワードシップ責任を果たすための業務を担当する。具体的には、年金積立金の運用にふさわしいスチュワードシップ責任のあり方や具体的な活動を検討するほか、内外株式の運用に際して、運用委託先を含めて、ESGの要素を考慮したスチュワードシップ活動の取り組み状況の分析・評価を検討する。

 

 また国連責任投資原則(PRI)などの国際的ネットワークを通じて、内外の機関投資家等との連携も図っていくとしている。

komoriキャプチャ

 課は昨年末に三井住友信託銀行からGPIFに転じた小森博司氏が課長を務め、兼務者を含めて7人体制でスタートした。小森氏は埼玉銀行(現りそなホールディングス)から、住友信託銀行(現三井住友信託銀行)に移籍、1999年に日本の証券代行機関 として初の「IRグループ」を立ち上げ、 コーポレート・ガバナンスの分野 において、発行会社と国内・海外機 関投資家との意見交換、情報交流 の橋渡し役を担うなど、活躍してきたことで知られる。

 

GPIFでは、今春に小森氏を中心として関係課室の横断的な「スチュワードシップ推進グループ」を運営してきたが、7月28日に、スチュワードシップコードやコーポレートガバナンス・コード等をインベストメントチェーンに組み込む枠組みを制定したことを受けて、専任の課に昇格させた。

http://www.gpif.go.jp/operation/pdf/release_of_stewardship_enhancement_division.pdf