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ミャンマーでの日本企業主導の石炭火力発電計画に、地元住民、僧侶らが反対の書簡を州知事に提出(メコン・ウォッチ)

2016-10-18 17:24:06

Myammar1キャプチャ

 

  9月26日、東洋エンジニアリング系の企業がモン州イェ郡アンディン村で計画している石炭火力発電事業について、住民が、地元僧院の高僧らとともに建設への反対を表明する書簡をモン州知事に手渡しました。

 

  住民らは同書簡とともに、2014年から2015年にかけて、前政権やミャンマー投資委員会、事業者であるトーヨータイ社(TTCL)に出してきた要請書や声明、地元コミュニティーの自然資源・その価値を記録した報告書などを改めて提出。石炭火力発電事業に対し地元住民が今も変わらず強く反対していることを伝えました。 同書簡は、モン州知事と同州の関連政府機関のほか、ミャンマー大統領府などにも送付されています。

 

 アンディン村では、農業や漁業、自然資源に依存した生活があります。村人は、石炭火力発電事業により、彼らのその生活環境が壊されることを懸念しています。今までも約6,000人が集まる抗議集会が行なわれるなど、強い反対の声をあげてきました。

 

  温暖化防止のためのパリ協定が間もなく発効する中、排出量の多い石炭火力発電所を増やすことは、世界から批判を受けることになりかねません。そもそも、事業者は地元住民の理解を得られない事業を中止すべきであると私たちは考えます。

 

 以下、モン州知事との会合後にアンディン村の住民らが州都モーラミャインで開いた記者会見での発言を紹介した地元紙の記事を紹介します。

 

モン州住民、州政府に石炭火力発電所建設の中止を求める

 

 (2016年9月28日 イレブン紙) モン州の住民は9月26日、州政府に対し、イェ郡アンディン村付近に建設が予定されている石炭火力発電所事業に対して苦情を申し立てた。

 

 「私たちは、政府に通知することを目的に、石炭火力発電所事業に関する提言を報告した。モン州の住民は事業を懸念している。もし、政府が住民と同じ願いを持っているなら、石炭火力発電所の建設は中止される。更に、私たちは政府が、国内のいかなる場所にも石炭火力発電所を建設すべきでないと要望したい」アンディン・ユースフォーラムのThiri Ooは述べた。

 

 「Phar Lainの住民である私たちの祖父母は、自然資源と環境を守ってきた。私たちも次世代のための同じことをしたい。私たちは石炭火力発電所によって私たちの自然資源と環境が損害を被ることを望んでいない」とThiri Ooは言う。

 

 Andin村のAung Theinは「私たちは、モン州知事とその他の州政府のメンバー、更にモン州議会の議長と会い、アンディン村近くに計画されている石炭火力発電所の建設に同意する住民はいない、と告げた。州知事は、彼の任期中は事業を実施しないと約束した。彼もまた、事業実施に同意しないと述べた。私たちは正式に石炭火力発電所事業を停止しようと努力する。また、事業の延期に関する正式な声明を発出するよう当局に求めた」と述べた。

 

 トーヨータイ(TTCL)は2014年からこの事業を開始しようとしている。 同社は前政権と2015年4月9日に覚書(MoU)を結んでいる。

 

 それ以降、住民は事業に反対する抗議活動を行ない、前モン州政府がそれを延期するよう促してきた。

(文責・翻訳 メコン・ウォッチ)

 

(注)トーヨータイ(TTCL)は東洋エンジニアリングのタイ現地法人。計画されている石炭火力発電は超々臨界圧石炭火力発電(USC)で、28億㌦を投資して、建設期間4-6年、完成後は1280MWの電力を30年間にわたって供給する計画。(RIEFからの補足)

http://mekongwatch.org/resource/news/20161013_01.html