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世界の風力発電、2030年に総発電量の最大2割を占める。先進国だけでなく、アジア、アフリカ等でも風車が回る。世界風力エネルギー会議(GWEC)が報告書で展望(RIEF)

2016-10-21 00:27:55

windキャプチャ

 

 風力発電関連企業などで構成する世界風力エネルギー会議(GWEC:本部ベルギー)は、2030年までに世界の風力発電量が2110GWに達し、世界の総発電量の最大2割を占める可能性があるとの報告書「Global Wind Energy Outlookを公表した。

 

 特に、中国市場での風力発電の普及が世界全体の3割強を占め、世界市場拡大の大きな牽引役になるとしている。2030年に予想される風力発電による発電容量は2015年末時点の5倍近くに拡大するとみている。15年も発電容量は4億3288万kWと前年比で17%増えている。

 

  2030年には、世界の二酸化炭素(CO2)排出量を33億㌧以上削減するほか、240万人の新規雇用が見込める。さらに、年間約2000億ユーロ(約22兆8000億円)の投資資金を受け入れる市場になるとみている。

 

 GWECは2020年、30年、50年に分けて、IEA(国際エネルギー機関)の中心シナリオであるNew Policy Scenario、450Senario、GWECのModerate Scenario、それに GWECの Advanced Scenarioの4つのシナリオを設定して今後の風力発電の展望を推計した。

 

 風力発電の普及が急速に進むと推計する背景には、11月に予定されるパリ協定の発効によって、グローバルに再エネ市場が拡大する見込みが高まっていることのほか、風力発電コストが他の再エネ事業と同様、急激に低下していることも背景にある。経済性の向上だ。


  
 GWECの事務局長を務めるSteve Sawyer氏は「パリ協定の発効見通しが得られたことで、各国は約束した温室効果ガス削減計画の実施を真剣に考えねばならなくなっている。パリ協定に基づけば、2050年間までに電力を脱カーボン化せざるを得ない。風力発電はそうした転換の有力な手段となる」と述べている。

   
 風力発電市場はこれまで欧米市場が中心だったが、パリ協定の発効と、コスト低下の影響で、アフリカ、アジア、中南米などの新市場の急成長が見込めるという。Sawyer氏は「風力発電は、化石燃料から再エネ電力への切り替えのもっとも競争力のあるオプションになる」としている。

 

http://www.indiainfoline.com/article/news-top-story/wind-power-to-dominate-power-sector-growth-to-supply-up-to-20-of-global-electricity-by-2030-116101800537_1.html