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ビルや工場の中で「小水力発電」。空調や排水の水力を「逆流」させて発電。アイデアと技術を融合。非常用電源や、バッテリー充電に活用(RIEF)

2016-11-01 23:48:40

sansoudenkiキャプチャ

 

 モーターやポンプの設計・製造販売を手掛ける三相電機(本社・兵庫県姫路市:JASDAQ)はアシアティック エンジニアリング ジャパン(東京)と共同で、ビルの空調などでも小水力発電ができる「小型水力発電ポンプ」を開発した。11月からモニター販売を開始した。

 

 三相電機とアシアテックが開発した小型水力発電機は、既存のモーターやポンプの技術を活用したもので、ポンプに水を逆に流し、通常とは逆方向に回転させて発電する「ポンプ逆転式」の発電機。最大発電出力は750W。

 

 ビル空調の循環水が流れる配管や工場排水設備の配管に接続することで、供給圧の残圧を利用した水力発電が行える。配管の残圧が利用できる安定水源がある場合、特に有効という。工場や事業所の未利用エネルギーから発電し、バッテリーに充電したり、ビルや工場内の照明などに利用できる。

 

 また、ため池や河川から取水して、発電に利用すれば、災害時の井戸ポンプの起動源や携帯電話の充電、緊急時の街路灯の電源などのライフライン用にも活用可能だ。

 

 発電機の大きさは430×441×180mmと小型で、重さは約30kg。水車と発電機が一体化した構造になっているため、狭いスペースにも設置しやすいという。設置に際しては、大掛かりな工事は不要。

 

 発電するための主な利用条件としては、一定の落差の確保が必要となる。有効落差が10~12mの場合、発電量は200W、18.5~21mだと750Wとなっている。水量は1分当たり300~450㍑を確保する必要がある。

 

http://www.sanso-elec.co.jp/wordpress/wp-content/uploads/2016/10/20161024_sonota.pdf