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COP22開催国のモロッコ 官民ベンチャーが同国初のグリーンボンド発行。自国通貨建てで約1億5300万㌦分。認証はCBIの基準(RIEF)

2016-11-09 11:48:40

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 国連気候変動枠組条約第22回締約国会議(COP22)が開催国であるモロッコが初のグリーンボンドを発行した。同国の官民ベンチャーであるMASEN(Moroccan Agency for Sustainable Energy)が、太陽光発電事業の資金調達として、11億5000万モロッコディルハム(MAD=約1億5300万㌦)を発行した。

 

 MASEN発行のグリーンボンドの資金は、現在、同社が中心になって進めている3つの160MW級の太陽光発電事業に充当される。期間は18年。プロジェクトの妥当性については、欧州のESG評価機関のVigeo Eirisが、英非営利団体のClimate Bonds Initiative(CBI)の基準に準拠しているかどうかを評価し、認証を付与した。

 

 発行されたボンドは、国内のAl Barid BankやAttijariwafa Bankなど4金融機関が購入した。また、モロッコ政府はボンドに対して信用保証を付与し、ボンドの利回りを0.10%分、確保した。MASENの事業は事実上、政府主導の国家プロジェクトと評価されている。

 

 モロッコは2020年までに、再生エネルギーを全エネルギーの42%に、30年には52%にまで高める計画を立てている。官民ベンチャーのMASENはこの膨大な計画の推進役だ。今回発行されたグリーンボンドは、サハラ砂漠の西端にあるワルザザード太陽熱発電所(OSPS)の建設資金等に充当される。

 

 MASENは2020年までに国内で、少なくとも3GW(3000MW)の再エネ発電を開発する計画だ。こうした膨大な投資資金についても、今後、グリーンボンド発行で賄っていく方針だ。これまでのアフリカでのグリーンボンド発行は、アフリカ開発銀行(AfDB)と南アフリカのヨハネスブルク市の発行分に次ぐ3番目の発行となる。