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温室効果ガス削減量のもっとも多い日本企業は、流通業のイオン。2014年には185万㌧削減。BloombergがCDPデータから分析し、ランキングを開示(RIEF)

2016-11-09 15:23:26

4nov16

 

 Bloombergは日本の主要企業の温室効果ガス(GHG)排出量の推移をCDP(カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)のデータを元にまとめた。それによると、2014年時点で前年比でもっともGHG削減量が多かった日本企業は、流通業のイオンだった。ついで三菱商事、三菱ケミカルホールディングスの順となった。

 

 BloombergはCDPが開示している直接排出量(Scope1)と、エネルギー起源の間接排出量(Scope2)の2013年から14年への排出量推移を調べた。その結果、イオンは直接排出量が15万㌧(=CO2換算㍍㌧:mtCO2e)、間接排出量が169万㌧、合計で1年間に185万㌧を削減したことになる。

 

 イオンは京都議定書の第一約束期間が始まった2008年に、「イオン温暖化防止宣言」を出し、2012年までに185万㌧のCO2排出量削減計画を立て、実現した。その後も、従来型の店舗よりCO2排出量が20%以上少ない次世代エコストア(スマートイオン)などの展開を進め、各地のイオンモールなどの低炭素化を推進している。

 

 2位の三菱商事は108万㌧、3位の三菱ケミカルホールディグス51万㌧、以下、パナソニック49万㌧、日本製紙47万㌧、日本郵船38万㌧、宇部興産31万㌧などと続く。三菱商事は間接排出量は横ばいだったが、直接排出量が109万㌧と大きく減少した。

 

 直接排出量は重厚長大産業やエネルギー多消費型産業で多い。絶対額で直接排出量が多かったのは、日本郵船で2014年だけで2048万㌧に上った。13年比での削減量は38万㌧で、ほぼ横ばい。ついで宇部興産が1062万㌧。

 

 光熱費等の間接排出量では、日立製作所が302万㌧でもっとも多かった。ついで日産自動車の264万㌧。日立の削減量は2万㌧、直接排出量も含めた全体ではも8万㌧にとどまっている。日産は間接排出量が23万㌧の削減で、全体では20万㌧。

 

 この排出量ランキングは、CDPに回答した企業に限定しているため、実際にはもっと排出量の多い企業や、排出削減量の多い企業がある可能性もある。ただ、GHGの排出量の企業単位での情報開示は義務付けられていない。Bloombergはこれらの分析データを株式スクリーニングのページで開示しており、ESG要素を評価して株式投資先を選択したい投資家等へ情報提供している。