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GPIF  女性役員登用の英米の「30%クラブ」に加盟。運用面と自らのガバナンスの改善に活用か(RIEF)

2016-11-11 22:01:50

30%clubキャプチャ

 

 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、自らのスチュワードシップ活動の一環として、取締役会のダイバーシティ(多様性)推進・女性の活躍支援を目指す米英の「30%クラブ」に加盟した。

 

 英国の「30%クラブ」、米国の「30%コーリション」は、ジェンダー・ダイバーシティ(性別の多様性)が図られた取締役会は、組織のリーダーシップやガバナンス機能を強化するほか、取締役会のパフォーマンス向上、企業の業績向上につながる、との考えで運動を進めている。

 

 「30%クラブ」は英国が発祥で、2010年に「2015年までにFTSE-100インデックスに含まれる企業の取締役会の女性比率を最低でも30%にする」ことを目標として設立された。公的年金のRPMI RailpenやEnvironmental Agency Pension Fundなどがメンバー。https://30percentclub.org/

 

 英国の動きに触発され、現在、米国等9か国で「30%クラブ」が設立されている。米国では「30%クラブ」は大企業の集まりであり、年金等の機関投資家は「コーリション」に結集している。

 

 GPIFによると、英国のRPMI Railpenや、米国のメンバーであるCalSTRS(カリフォルニア州職員退職年金基金)などから、それぞれのクラブへの加盟を打診されていたという。

 

 GPIFは、「ESG要素を考慮した投資はリスク低減効果があると考えており、女性活躍などのダイバーシティ推進はESG投資の一要因になる」との立場から、両団体にまず、オブザーバーとして加盟することを決めた。

 

 当面は、海外企業や機関投資家のダイバーシティ―推進の取り組みに関する情報収集を図ることが目的としている。GPIFが運用に際して「30%基準」を活用するのか、あるいは自らの役員構成の30%を女性登用とするかどうかについては明言はしていない。

 

 GPIFの理事会は現在、理事長、理事2人、監事2人(非常勤含む)で構成されている。非常勤の監事を除くと、常勤メンバーは全員男性。

 

 英米とも「30%運動」の趣旨は、強制的に女性枠30%を割り当てるというものではなく、あくまでも企業が主体的に取り組むことで、企業内全体のジェンダー・バランスを図ることにあるとされる。

 

http://www.gpif.go.jp/operation/committee/h28.html