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JR東日本 アスベスト含有廃棄物のズサン処分、全国各地で発覚。長野、福島、秋田、埼玉、群馬など。作業員や周辺住民に健康不安まき散らす。社会的責任意識の欠如露呈(RIEF)

2016-11-17 16:00:10

JRキャプチャ

 

  JR東日本のアスベスト廃棄物のズサン処理が、全国的に行なわれていたことが明らかになった。先に長野県でアスベスト含有の防音壁を破砕処分していたことが発覚したほか、福島、秋田などでも、粉じん防止措置を施さず、廃棄物業者に売却していた。同社の環境管理意識の低さが露呈した。

 

 JR東日本は今月初め、北陸新幹線の工事に絡んで使用したアスベスト含有の防音壁1800トン分を不用になったとして、長野県内3ヶ所の山林中の処分場で破砕処分にしていた。アスベストは、普通の廃棄物のように破砕処分をすると、粉じんとともに大気中に浮遊し、それを人が呼吸等で吸収すると、肺に突き刺さり、中皮腫(ガンの一種)を引き起こすリスクが指摘されている。http://rief-jp.org/ct12/65516?ctid=65

 

 このため廃棄物処理法で、厳重な管理下での無害処理をすることを義務付けている。JR東日本は設計上、アスベストを使わない仕様になっていたとして、法律で定められた処理をせず、山中の産業廃棄物処理場で破砕、埋め立てしたという。この時の不法処分で飛散したとみられるアスベストは100トンに及ぶと推定される。

 

 これとは別に、10月には福島県郡山市のJR東日本郡山総合車両センターで、アスベストを含む車両部品を金属くずとしてスクラップ業者に売却処分していたことが判明している。売却したのは列車の台車部品を交換、廃棄して残った部材。スクラップ業者はアスベストが含有されていることを知らされておらず、通常の処理をした場合、作業員が飛散した粉じんを吸引して中皮腫を発症する可能性がある。

 

 さらに、今回発覚したのは、秋田市、さいたま市、長野市、前橋市の各車両センターでも、廃棄したアスベスト含有の鉄道部品を一般廃棄物や鉄くずとして処分していたという。いずれも2005年度以降、在来線の車体と車輪をつなぐ部品などを交換して廃棄したもの。先にわかった郡山センターを含め、5ヶ所のセンターで、約2000点の処分部品を不法に廃棄した。含有していたとみられるアスベスト量は合計で514kgという.

 

 JR東日本が、アスベスト含有廃棄物を相次いで不法処理していた背景には、同社が組織的にアスベスト処理への意識が希薄であることを物語る。万一、処理の過程でアスベストを作業員が吸引していたとすると、20年~30年後に中皮腫などを発症するリスクを負わせたことになる。また処理業者の処理場が街中にあると、周辺の住民にも被害が及んでいる可能性も否定できない。

 

 JR東日本は、取引先や周辺住民の健康管理を十分に保証できるのか。ズサン廃棄物処理の責任は重い。