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フランス原発の日本製部品 強度不足問題。検査停止の12基中、7基が再稼働へ。1基はすでに稼働準備。他の4基は未定(RIEF)

2016-12-07 00:00:12

EDFキャプチャ

 

  各紙の報道によると、フランスの原子力規制機関の原子力安全局(ASN)は、同国の原子炉の重要設備の日本製部品に、強度不足の懸念があるとして、12基の原発を停止し検査していた問題で、7基について再稼働を認める判断を示した。

 

 原発を運営する仏電力(EDF)は、ASNの指示を受け、年末までに7基について再稼働する方針。12基のうち1基はすでに、検査を終了、稼働準備に入っている。残りの4基については、検査が完了していないことから、再稼働の承認は年を越すものも出るとみられる。

 

 問題の部品は、原発の蒸気発生器や原子炉圧力容器で、使われている鋼材の炭素濃度が0.22%の基準を大幅に超える0.39%となっていることが確認された。日本鋳鍛鋼は1995年から2006年にかけてこれらの部材をフランスに供給したという。

 

 ASNの検査は、当初、建設中のフラマンビル原発3号機の審査の過程で、2014年に、フランスのメーカー、クルゾ・フォルジュ社が製造した部品に強度不足が見つかり、他の原発も調べたところ、日本鋳鍛鋼の製品にも同様の問題があることがわかった。

 

Francenukeキャプチャ

 

 調べたところ、フランスにある58の原発のうち、18基に同部品を使っていることが判明。このうち12基について稼働を停止し、当該部品の耐久性に問題がないかどうかの検査を行っていた。

 

  フラマンビルの建設中の原発は、欧州加圧水型炉(EPR)で、第三世代原発だが安全性を高めた分、コストが増大し、経済性が課題となっている。ただ、操業期間が当初から60年以上と長く設定されているため、今回の使用部品の耐用性の問題で、他の既存原発と同様に扱われるかは未定。

 

 12基もの原発が一時的に操業を停止したことで、フランスの電力需給がひっ迫、欧州の電力卸売市場からのフランスの購入量が増加したため、欧州全体の電力価格が上昇するという事態を引き起こしていた。

http://rief-jp.org/ct4/65357