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ナゴヤドーム 球場の屋根を利用した世界初の太陽光発電を完成、稼動。「環境配慮球場」としてはナゴヤがトップを独走(RIEF)

2016-12-20 14:34:01

nagoyaキャプチャ

 

 プロ野球中日ドラゴンズの本拠地である「ナゴヤドーム」(名古屋市)は、ドーム球場の屋根を太陽光パネルで覆う設備の設置を完了した。ドーム屋根を太陽光パネルで覆うのは、世界で初めての試み。パネル数は1152枚で、年間発電量はアリーナ照明の6~7試合分の電力に相当する。全量、中部電力に売電する。

 

 ナゴヤドームでは、2014年6月から工事に着工していた。夏はドーム屋根が高温になり、冬は露で足元が滑りやすくなる。このため安全を考慮し、工事は春と秋に限定して行っていた。円形のドーム屋根に設置するため、太陽光パネルは曲げられるシート型。かつ㎡当たり約3kgの軽量で、設置のために特別の補強工事の必要もなかった。シート型は樹脂製のシートの上に、結晶構造を持たないアモルファス(非晶質)シリコンを並べる仕組み。

ドーム中央の六角形の部分と、周辺の点線のようになっている3層部分が、太陽光パネル
ドーム中央の六角形の部分と、周辺の点線のようになっている3層部分が、太陽光パネル

 

    発電能力はシート1枚で61W。1152枚合計の発電能力は70kW。年間に6万2000kWhの電力を供給できる。一般家庭の年間使用量(3600kWh)に換算して17世帯分に相当する。CO2削減効果は、森林面積に換算すると9万1000㎡分で、ナゴヤドームの敷地面積(10万4000㎡)とほぼ同じ広さの森林が吸収するCO2に匹敵する。

nagoya3キャプチャ

 

 ナゴヤドームは東日本大震災をきっかけに、このほかにも、環境に配慮した取り組みを展開している。ドームの屋根の中央部分から自然光を採り入れて照明の使用量削減につなげているほか、ドームの屋根に降る雨を集めてトイレの洗浄水等に利用する雨水利用システムも導入している。ドームの地下には2800㎥の雨水貯留槽がある。

 

 このほか、観客が増えた際に、ドーム内の温度を下げる循環流ファンや、深夜電力の利用等も標準装備しており、多様な環境負荷の低減策を進めている。日本にもドーム球場やドーム施設が増えているが、環境配慮という点では、目下のところ「ナゴヤが一番!」といえそうだ。

http://www.nagoya-dome.co.jp/newstopics/etc/2016/12/14-849.php