日本の平均気温、今年は過去最高 気象庁。温暖化の進行と「エルニーニョ現象」 のダブルパンチ(各紙)
2016-12-21 22:46:12
気象庁は21日、今年の日本の平均気温が平年を0.88℃上回り、1898年の統計開始以来、過去最高になるとの速報値を発表した。平年を上回る気温は11年連続となる。世界の年平均気温も平年を0.46℃上回り、3年連続で過去最高を更新する。温暖化の影響が明確になってきた。
気象庁によると、今年の気温は、地球温暖化のほか、2014年夏から16年春まで続いたエルニーニョ現象の影響を受けたことが大きいと分析している。月ごとにみると、11月を除いて、毎月、平均の温度を上回り、特に3~5月、8~9月は、いずれも平均を1℃以上上回った。
過去に日本で最も平均気温が高かったのは1990年で、平年を0.78℃上回った。ついで2004年の同0.77℃。今年はこれらの年よりも、0.1℃ほども高かった。
世界の平均気温は、昨年も平均より0.42℃高く、過去最高値を記録した。今年は、それをさらに0.04℃上回ったことになる。過去3年を振り返ると、徐々に平均からの乖離幅が拡大していることがわかる。世界の気温上昇は、一様ではなく、海上より陸上、特に北半球の緯度の高い地域ほど、気温上昇が大きくなっているという。
年平均気温は、長期的な変化の傾向を算出すると、100年当たり日本で1.19度、世界で0.72度の割合で上昇している。とりわけ、1990年代半ば以降、高温の年が増えている。気象庁の担当者は「長い目でみると今後も上がっていくのは間違いない」としている。
<2016年の日本の月ごとの平均気温との温度差>
2016年 | +0.66 | +0.79 | +1.11 | +1.23 | +1.76 | +0.71 | +0.72 | +1.05 | +1.02 | +0.96 | -0.43 |
。
地域別に見ると、平均気温は北日本(北海道、東北)で平年より0.6℃、東日本(関東甲信、北陸、東海)や西日本(近畿、中四国、九州)、沖縄・奄美で1.0℃高かった。西日本、沖縄・奄美、北日本で降水量が多く、西日本では秋に記録的な日照不足があった。