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米大手輸送業のUPSが、都市部の混雑地域で、eBikeによる宅配便・郵便サービスの実証取り組み開始。日本でも導入してください(RIEF)

2016-12-28 23:53:23

UPSキャプチャ

 

 米国の国際貨物大手のUPSは、郵送物を家庭やオフィスに届ける際の運送手段として電気バイク(eBike)の活用を進める。このほどオレゴン州のポートランド市で導入を開始した。日本でも、話題になっている宅配便の配送や、年賀状などの配達にeBikeを活用してはどうですか。

 

 ポートランド市は横浜市より少し小さいくらいの広さに人口約60万人が住んでいる。2013年には、「全米でもっとも住みたい街」に選ばれたほか、「もっとも環境に優しい街」「もっとも自転車通勤に適した街」などにも選ばれるなど、快適都市として知られる。

  

 UPSが同市をパイロット事業のモデル都市として選んだのは、市内に荷下し禁止区域などが設けられており、通常のトラックや自動車での配送から、別の輸送手段に切り替える必要がある点も考慮されたという。導入されるeBikeは電動で動くため、温室効果ガスを排出しないだけでなく、電気を切って、自転車としてペダルで走行することも可能。

 

 UPSの運輸部門のMike Britt氏は「都市内の混雑地域では、eBikeによる配送機会が極めて多くある」と指摘している。

 

 

 通常のUPSの大型配送用トラックの場合、一台の積載量は約300個の荷物を乗せることができる。eBikeの場合はその10分の1。eBikeは小回りが利くことから、小包や封筒などの小さい配送品を運ぶのに適している。人から人への配送だ。まさに日本の宅配便や年賀状の配送に類似する。

 

 

 UPSではこれまでも2012年に、ドイツのハンブルグ市でeBike配送の実証実験を行なった経緯がある。今回はそうした経験を踏まえ、全米の都市部での展開を想定した取り組みとなる。市内での配送の際、より狭い場所では人力でペダルを漕いで移動することもできる。

 

 

 UPSは1907年の事業開始当時は、実は自転車での配送が主だった。その意味では、110年を経て、再び、自転車およびその発展形のeBikeに立ち戻ることになる。電動の威力とともに、温室効果ガス排出量を出さないという新たなメッセージを、配送物の受取人や市民にデリバリーするプラス効果もある。

https://www.ups.com/content/us/en/index.jsx