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「持続可能な競争力指標」 国別ランキングの1位はスウェーデン、上位5カ国は北欧諸国。日本は15位。持続可能性を加味した国の格付けではAAにアップ(RIEF)

2016-12-30 17:15:29

sustainablecompetitionキャプチャ

 

 国の持続可能な競争力(Sustainable Competitiveness)を評価する2016年のグローバルランキングが公表された。第1位はスウェーデンで上位5位をすべて北欧諸国が占めた。日本はアジアではトップで、全体の15位にランクされた。

 

 ランキングをまとめたのは、サステナビリティマネジメントのコンサルタント事業を展開するスイスと韓国のジョイントベンチャー、SloAbility。持続可能な競争力を評価対象として、自然資本、社会資本、資源マネジメント、知的資本、ガバナンスの5分野を選別、それらを合計109の定量的業績指標で評価する手法を開発した。Global Sustainable Competitiveness Index(GSCI)としてスコア評価した。

 

 その結果、スウェーデンが全体で60.9ポイントを獲得して1位、以下、ノルウェー、フィンランド、デンマーク、アイスランドの準で、上位5カ国はすべて北欧諸国だった。昨年とは、評価と方法論を変更したため直接の比較はできないが、企業行動にESG(環境、社会、ガバナンス)の持続可能性評価を重視するこれら北欧諸国が、国としての持続可能性の競争力も高いことが数値的に立証された形だ。

 

 その他の国々も欧州諸国が多い。ただ、欧州の主要国のランキングは決して高くない。ドイツが14位で、日本より一つ上だが、フランスは17位、英国21位、イタリア44位、スペイン39位などで、持続可能な競争力は国の経済規模より、一人当たりの自然資本、社会資本、知的資本等のウエイトが重視されることがわかる。

 

 国の評価については格付け機関による国別信用格付けがある。本調査ではGCFI評価に基づく格付けも実施している。それによると、スウェーデンなどの北欧諸国は信用格付けがAAAで、GCFI格付けもAAAとなっている。

 

 日本は国債発行額が多いことから信用格付けはA+だが、GCFI格付けはAAAと高評価になっている。両格付けを調整した結果ではAAで、米国と同水準に評価されている。中国は信用格付けはAA-と日本より上だが、GCFI格付けはAで、修正格付けはA+で、日本より下になる。

 

 5つの評価分野のうち、自然資本の豊かさの評価では、中部アフリカに位置するコンゴ民主共和国が1位。次いでスウェーデン、カナダ、フィンランドの順。日本は97位と低い水準にある。

 

 ガバナンス評価では、エストニアが1位で、次いでインドネシア、ノルウェー、チェコ共和国、ドイツ、中国の順。日本は11位。ガバナンスの評価は、社会や経済が自国の保有資源を利用できる枠組みを評価する。物理的なインフラストラクチャーやビジネス法規制、腐敗のレベル、政府による投資などを含む。

 

 日本の他の評価は、知的資本が4位、社会資本が12位、資源の豊かさを踏まえた資源マネジメントは65位となっている。

http://solability.com/the-global-sustainable-competitiveness-index/downloads