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中国エネルギー当局 2020年までに再エネ発電に2兆5000億人民元(42兆円)を投資。新規雇用1300万人創出へ。太陽光発電が約4割(RIEF)

2017-01-06 14:27:47

Chinasolarキャプチャ

 

 中国政府は、2020年までに再生可能エネルギー発電に対して2兆5000億人民元(3610億㌦=42兆円)を投じる見通しだ。国家エネルギー局(NEA)が明らかにした。石炭火力発電への依存を低下させるのが目的。中国は世界最大のエネルギー消費国だが、再エネ市場でも最大市場の地位を継続することになる。

 

 NEAによると、2016年を含め、2020年までの5カ年間で、年720億㌦分の投資資金が再エネ市場に投じられる。その結果、再エネ市場で1300万人の新規雇用が見込まれるという。

 

 また新規の再エネ事業のうち、4割相当の1兆人民元が、太陽光発電事業に投資される。件数にして、1000の大規模メガソーラーが新たに誕生する。風力発電には、7000億人民元、水力発電には5000億人民元がそれぞれ投じられる見通しだ。原子力を含め、これら非化石燃料発電の比率は、期間中の新規発電量の半分を占める。

 

 再エネ発電市場は建設の増大と技術革新の進展で、たとえば太陽光発電の場合、2010年に比べて現在は建設コストが40%減少しており、経済的にも石炭等の化石燃料発電に対抗できる水準となっている。すでに中国は昨年、太陽光発電の発電規模で世界最大になっている。

 

 中国の証券会社 Shenyin Wanguoの再エネアナリストのSteven Han氏によると「再エネのコストダウンが続くので、政府の見通し以上に投資が進む可能性がある」と推測している。

 

 中国での再エネ事業の拡大は、パリ協定で合意した地球温暖化対策という要因だけで進んでいるのではない。毎日のように悪化している首都、北京を中心する中国北部の大気汚染対策への直接の対応でもある。北京は今年も元旦から、大気汚染が健康影響を引き起こす「赤信号」状態が続いている。

 

 ただ、再エネ発電が進展する一方で、中国全土でみると、エネルギー源を化石燃料に依存する社会体質は当分、続く。NEAの推計でも、2020年時点で全エネルギー消費に占める再エネ発電の比率は15%前後で、まだ化石燃料依存体質を一変させるまでには至らない。

http://en.ndrc.gov.cn/mfod/200812/t20081218_252224.html