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東電グループ送配電会社の東電PG。新電力各社への託送料の誤請求、全体で41社、3145件に膨らむ。昨年発覚時から倍増。再発防止策効果なく(RIEF)

2017-02-01 22:18:24

toudenPGキャプチャ

 

   東京電力ホールディングスの送配電部門を担う東京電力パワーグリッド(東電PG)は、昨年4月の電力小売り自由化開始直後に、新規参入の小売電気事業者に対して託送料金の誤請求をしていたことが指摘された。ところが、その後も十分な改善がとられず、現時点で41社の小売電気事業者に合計3145件の誤請求件数に増大していることがわかった。

 

  東電PGは昨年6月末、首都圏の小売電力市場に参入した東京ガスなど電力小売電気事業者25社に対して、一部の家庭などの電気使用量を誤って伝えていたことを公表した。東電から新電力への契約変更に伴い、東電の配送電網を「託送業務」として使う他社分のデータを正確に把握していなかった、ことで不具合が生じたとしていた。http://rief-jp.org/ct4/62523

 

 当時の発表では、誤った電気使用量データは月間電気使用量1,646件分。これらの東電PGから小売電気事業者にスイッチした顧客は平均1500円ほど誤請求された可能性があるとしていた。さらに検針データ等の未通知件数が4万件を超えるという事態を引き起こした。

 

 東電PGは急遽、スマートメーターに新たな処理機能を追加して対策に当たった。だが、今回の発表で、誤請求事例は、年間を通じても顕著な改善を示さず、対象の小売電気事業者数も、誤請求件数も、ともにほぼ2倍に増えたことがわかった。

 

 東電PGは、誤請求をした小売電気事業者に対して、今後、順次清算を進めるとしている。発生した3145件の誤請求の内訳で最も多いのが申込み内容の入力遅延や誤入力による誤請求が1352件。次いで、契約容量の変更分の託送業務システムへの反映漏れ1049件、自由化メニュー・経過措置メニューの託送料金の二重請求599件、電気の使用停止についての託送業務システムへの反映漏れ145件となっている。http://www.tepco.co.jp/pg/company/press-information/information/2017/pdf/170127a.pdf

 

 小売電気事業者は、東電から乗り換えた契約者に電力を供給するためには、既存電力会社の送配電網を借りなければならない。その「借り賃」が託送料金だ。そうした小売電気事業者は、東電PGなど既存電力の販売部隊の目には、自分たちのこれまでの顧客を奪うライバルとして映っている。

 

 このため、東電PGが引き起こした誤請求件数が発覚後も一向に減少せず、年間を通じて倍増した背景には、競合する新規参入の小売り電気事業者に対して、東電側が“嫌がらせ”を続けているのではないかとの疑いも持たれている。

 

 こうした見方に対して、東電PGは、「主な原因は、作業手順の未整備・未定着や要員不足による、当社託送業務システムへの反映処理遅れや誤りによるもの」として、意図的なものではない、との説明をしている。

 

 再発防止策が十分に効かない点についても、「作業手順の見直し、要員増強を踏まえた体制整備や入力時相互審査の的確実施等を徹底する」と、昨年6月の時点と同様の説明をしている。

 

http://www.tepco.co.jp/pg/company/press-information/information/2017/1367851_8915.html