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三菱重工とデンマーク・ヴェスタスの合弁会社開発の洋上風力発電機、世界最高出力9MWでの24時間発電を達成。1機で2万1600世帯の電力を供給可能に(RIEF)

2017-02-07 16:03:23

Vestusキャプチャ

 

  三菱重工業は、デンマークのヴェスタスとの合弁会社である洋上風力発電機メーカーのMHI Vestas Offshore Wind(MHIヴェスタス)が、世界最高出力の9MWの洋上風力発電機を24時間連続運転することに成功した、と発表した。24時間(1日)の発電量は21万6000kWhで、日本の家庭なら2万1600世帯が一日に消費する電力量を1機で発電できることになる。

 

 MHIヴェスタスは三菱重工とヴェスタスがそれぞれ50%出資で設立した。同社が開発したのは、現行の定格出力8MWの「V164-8.0MW」機を改良して出力を9MWにアップした新モデル。昨年12月1日にデンマーク北部にある国立テストセンターの試験場で実証運転で確認した。三菱重工は「出力9MWで市場に投入できることを証明できた」と評価している。

 

 改良機の土台となった「V164-8.0MW」は、すでに英国北海沖のバーボバンクの洋上風力拡張事業(32基、総発電量256MW)で据付工事を完了している。その他の事業を含め、受注済みの同機の総発電量は1.6GWを超えるという。

 

Vestus2キャプチャ

 

 改良機の風車の羽根(ローター)の回転直径は164m。日本の福島沖で実証運転中の7MW機は、三菱重工が開発した浮体式の洋上風力発電機で、回転直径は167mある。改良機はこれよりは少し小さいが、欧州では風況が恵まれていることから、同程度の大きさの風車で出力を9MWまで高めることができたという。

 

 MHIヴェスタスが9MW機を市場に投入できると、従来の8MW機と同程度の建設費と設置スペースで発電力を高めることができることになり、風力発電のさらなるコスト低下につながる。欧州では再エネ事業は陸上・洋上両面の風力発電がコスト面の利点と、発電能力の向上で、太陽光発電よりも有利な状況となっている。

https://www.mhi.co.jp/news/story/170203.html

http://www.mhivestasoffshore.com/new-24-hour-record/