HOME13 原発 |フランス・フラマンビル原発。爆発事故。原子力区域外で、放射能漏れはなし。作業員ら5人が煙を吸い込み病院に搬送。5年前には小規模な放射能漏れ事故発生の履歴も(RIEF) |

フランス・フラマンビル原発。爆発事故。原子力区域外で、放射能漏れはなし。作業員ら5人が煙を吸い込み病院に搬送。5年前には小規模な放射能漏れ事故発生の履歴も(RIEF)

2017-02-10 01:04:36

frenchcukeキャプチャ

 

 フランス北西部沿岸の仏国営電力会社EDFが運用するフラマンビル(Flamanville)原子力発電所で9日、爆発があり、複数のけが人が出た。当局によると、放射能漏洩のリスクはないという。

 

 同原発では2014年10月に小規模な放射能漏れ事故が起きている。点検や燃料交換のため停止していた原子炉から放射能が漏れ、原子力事故の国際評価尺度(INES)でレベル1の事故とされた。http://rief-jp.org/new/20573

 

 今回、爆発が起きたのは9日の午前10時ごろ。事故は原子炉区域ではなく、換気用のタービン・ホールで発生したという。現在のところ5人が爆発で発生した煙を吸い込んで病院に緊急搬送された。いずれも命には別状はない模様。

 

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 同発電所管理部長のOlivier Marmion氏は報道機関に対して「事故は重要な技術的課題を提起するものだが、原子力事故ではない。周辺環境への影響もない」と説明している。

 

 爆発による火災は、同発電所の消火チームによよって直ちに消し止められた。その後、駆け付けた消防隊が、鎮火していることを確認した。

 

  仏当局の話では、爆発後に同発電所の加圧水型原子炉2基のうち1基の稼働を停止した。その後、3時間ほど経た正午(日本時間午後8時)に事態の収束が宣言された。

 

 現時点では、爆発の原因はわかっていない。英マンチェスター大学の原子力黒鉛技術専門のBarry Marsden教授は「タービンの爆発は、通常はベアリング部分等の加熱で油が漏えいして起きるケースが多い。通常の火力発電などでも発生する。あるいは緊急発電装置から火災が起きる場合もある。いずれの場合も放射能漏れにはならない」と指摘している。

 

 ただ、シェフィールド大学の放射性廃棄物管理専門のNeil Hyatt氏は「放射性物質の漏洩がなかったとしても、原子炉施設の中で爆発事故が発生したことは、真剣に受け止めるべきだ」と警告している。

 

 現場は、シェルブール港の西25kmに位置し、英領チャネル諸島にも近い。原発は1980年代より稼働している。同原発で建設中の3号機では、部品に強度不足が見つかり、他の原発も調べたところ、日本鋳鍛鋼の製品に同様の問題があることが発覚、日本でも問題が指摘されている。

https://www.edf.fr/