HOME10.電力・エネルギー |昨年の太陽光発電事業の倒産件数、過去最高数の67件。負債総額は前年比3.6倍の333億円に。FIT制度の不安定さで中小・零細企業中心に破綻相次ぐ(RIEF) |

昨年の太陽光発電事業の倒産件数、過去最高数の67件。負債総額は前年比3.6倍の333億円に。FIT制度の不安定さで中小・零細企業中心に破綻相次ぐ(RIEF)

2017-02-13 20:58:06

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  太陽光関連業者の倒産が急増している。帝国データバンクによると、昨年の太陽光関連の倒産件数は67件で、前年比86.1%増と大幅に増えた。負債総額も333億円2800万円で前年比3.6倍増と急増した。2014年以降、3年連続で増加傾向が続いている。

 太陽光発電事業は、2012年7月に始まった固定価格買取制度(FIT)で一時はミニバブル状態となり、多くの企業が参入した。しかし、その後、経産省が毎年、買取価格を引き下げるなど、制度の不安定性が続いたことで、ブームは沈静化している。

 倒産件数の前年比の増減率は、2014年が23.5%増、2015年が71.4%増だったが、16年はさらに一段と伸びた形だ。16年の負債総額が急増したのは、4月に破産した日本ロジテック協同組合(負債額162億8200万円)が全体を底上げした。

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 対象となった太陽光関連企業は、①太陽光発電システム販売や設置工事、コンサルティングなど関連事業を主業とする企業②本業は別にあり、従業として太陽光関連事業を手がけるもの――の両方を含んでいる。

 帝国データバンクでは、2006年1月から2016年12月までに破綻した201社を分析した結果、大半(94.5%)の190件が破産となり、民事再生法の適用は8件、特別清算が3件。「資本金別」では、「100万-1000万円未満」と「1000万-5000万円未満」の合計で179件、構成比89.0%を占めた。

 つまり、破綻した企業の多くは、FIT導入に合わせて、他業態から新規参入した中小企業、零細企業などが中心となっている。「負債額」も、負債5億円未満が全体の85.5%と、資本力の小ささを示している。

 地域別では、関東が78件、構成比38.8%で首位。次いで中部、九州。特に九州は継続的に倒産が発生、近年は近畿や東北の倒産も増加している。都道府県別で破綻が一番多かったのは東京都で27件、構成比13.4%。神奈川県、大阪府、宮城県、愛知県、埼玉県、福岡県、静岡県などとなっている。

http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p170201.pdf