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伊藤忠、国内でメガソーラー事業拡大。2020年までに現行保有資産を5割増へ。最大200億~300億円の投資見込む(各紙)

2017-02-16 14:49:02

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 各紙の報道によると、伊藤忠商事は国内で、メガソーラー(大規模太陽光発電所)事業を拡大する。太陽光発電は政府の固定価格買い取り制度(FIT)の買取価格が低下し、さらに大規模分については入札制度に移行することなどから、市場展望は厳しいが、同社は太陽光パネルの価格低下のメリットや既存発電所の取得なども想定し、2020年3月期までに合計出力を現在比約5割増の20万kW以上とする。総事業費は200億―300億円程度と見込んでいる。

 

 伊藤忠は、このほど岡山市内で、同社にとって国内3カ所目の発電容量37MWのメガソーラーを完成、稼動させた。同発電所は、芙蓉総合リースやガス販売会社のサイサン(さいたま市大宮区)などと設立した事業会社が運営主体となっている。総事業費は約150億円。発電した電力はFITで全量を中国電力に販売する。

 

 このほか、これまでに、愛媛県西条市と大分市日吉原でもメガソーラーを運営している。現在、建設中のものとしては、佐賀県唐津市で出力21MWのものがあり、2018年4月に完工予定となっている。

 

 同社はこうした建設中のものに加えて、今後も出力20MW以上の案件を対象に、発電資産を積み増す計画。国内の太陽光発電市場は、FIT価格の毎年の引き下げに加えて、2MW以上の案件については、来年度から一定の買取価格ではなく、入札価格制に移行することで、売電価格の安定性が損なわれるなどのマイナス材料が山積している。

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  しかし、同社では、自社の取引先や情報ネットワークを生かして、より安価な太陽電池パネルの調達から、発電に適した用地の選定、地権者との土地の有効活用などの検討を総合的に行うことで、新規発電の余地はまだまだあると判断している。逆に、市場参加者が絞られることで、ビジネスチャンスが得られやすいとのもくろみもあるようだ。

 

 とりわけ、太陽光パネルは海外で急速にコストが低下している。このため、メガソーラーの発電コストも、1KWhで2円台の案件も登場しているほどだ。国内のFIT制度では来年度は5年連続の引き下げで、事業用の10kWh以上の案件では、ikWh当たり21円に下がるものの、国際価格に比べると、まだ利ざやは十分稼げる価格差といえる。

 

 また、既存発電所の取得も視野に入れているという。商社特有のグローバルな機器調達力や事業運営ノウハウなどを総合化することによって、引き続き収益基盤と位置づけていくとしている。

 

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