HOME |世界最大の鉄鋼メーカー、アルセロール・ミタル社 インドで製鉄所建設計画を太陽光発電所に切り替え。600MW級のメガソーラー。鉄鋼需要の低迷と、国の太陽光発電促進策で結団(RIEF) |

世界最大の鉄鋼メーカー、アルセロール・ミタル社 インドで製鉄所建設計画を太陽光発電所に切り替え。600MW級のメガソーラー。鉄鋼需要の低迷と、国の太陽光発電促進策で結団(RIEF)

2017-02-28 01:40:39

Indiansolarキャプチャ

 

  世界最大の鉄鋼メーカーであるアルセロールミタル(本社ルクセンブルク)が、拠点とするインド南西部のカルナータカ州で、当初予定した製鉄所建設を、太陽光発電所に切り替えることを決め、州政府に許可を求めていることがわかった。世界的な鉄鋼需給の緩和長期化の見通しの一方で、ムディ政権の再生可能エネルギー発電重視政策で太陽光発電のほうが収益につながると判断したとみられる。

 

 カルナータカ州はインド南西部にあり、面積は全土の5.83%。州都バンガロールは航空宇宙産業、情報技術産業、ビジネス・プロセス・アウトソーシングなどが盛んで、「インドのシリコンバレー」と称される経済成長拠点になっている。

 

 ミタルは当初、同州に取得した1010haの土地に、年間600万㌧の生産能力を持つ製鉄所を建設する計画を公表していた。しかし、中国やインド自身を含む新興国経済の景気減速が続き、伸び悩む鉄鋼需要に対して供給能力が上回る状態が続いている。また、原料の鉄鉱石の安定確保に不確実性が漂うことなどから、国内需要が急増している太陽光発電所への転換を模索してきた。

 

 mittelキャプチャ

 

 カルナータカ州はムディ政権の再エネ重視政策を受けて、2022年の州全体の太陽光発電導入量を2GWから3倍増の6GWに引き上げる方針を打ち出している。州政府も、州内の電力需要が増大していることから、ミタルの計画変更を前向きに受け止めていると伝えられている。

 

 ミタルの計画では、発電量500MW~600MWの太陽光発電所を建設するという。ミタルのスポークスマンは「取得した土地を、同州の電力不足対策と、国の太陽エネルギー計画に貢献するために、グリーン電力発電として活用したい」と説明している。

 

 India3キャプチャ

 

 インドでは鉄鋼会社だけでなく、多くの製造業が太陽光などの再エネビジネスへの進出を進めている。昨年、インドの国営石油公社とインド石油(Oil India)は、インド中央部のマディア・プラデーシュ州で、石油精製設備の電力として、従来の火力発電に代え、1GWの太陽光発電設備の建設を打ち出した。理由は、「太陽光の方が火力よりもコストが安いから」。

 

また、コングロマリッド企業のラタンインディア電力は、パンジャブ州で324haの用地に、200MWの発電容量を持つ太陽光発電所の建設計画を明らかにしている。同用地は当初、石炭火力発電所を建設する予定だったが、国内で燃料となる石炭の安定調達が見込めない一方で、太陽光発電の採算性向上などから「石炭より太陽光」の転用を選んだという。

 

http://corporate.arcelormittal.com/