HOME9.中国&アジア |中国の昨年の石炭消費、前年比4.7%減。3年連続の減少を記録。太陽光発電は8割増の急増。「石炭から再エネへ」。政策転換の明確化示す。中国国家統計局公表(RIEF) |

中国の昨年の石炭消費、前年比4.7%減。3年連続の減少を記録。太陽光発電は8割増の急増。「石炭から再エネへ」。政策転換の明確化示す。中国国家統計局公表(RIEF)

2017-02-28 23:37:41

China2キャプチャ

 

  中国の昨年の石炭消費量(速報値)が前年比4.7%減と3年連続の減少となった。減少幅は2014年以降で最大。太陽光発電の導入量は81.6%増の77GWに急増、米国の導入量の倍に膨れ上がった。中国エネルギー市場は、着実に「石炭から再エネ」にシフトしているといえる。

 

 中国の国家統計局が公表した。 全エネルギー消費に占める石炭の割合は、2015年の64%から2%改善し、62%となった。導入された風力発電は13.2%増の149GWで、同年に世界で導入された発電量のほぼ3分の1が中国国内で設置されたことになる。

 

 ただ、環境NGOのグリーンピースは、中国政府の公表値は、燃焼された石炭の重量値で、エネルギー量で測ると、減少率は1.3%減でしかない、と指摘している。国内の石炭生産も16年は前年比9%減となった。ただ、石炭輸入は25%増と急増している。

 

 グリーンピースは今年の中国のCO2排出量は約1%減にとどまるとみている。これまで3年連続で伸び率はほぼ横ばいか微減となっており、4年連続の横ばいになりそう。

 

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 国務院発展研究中心・産業経済局研究部門長のXu Zhaoyuan氏は、石炭消費鈍化の背景として「セメントや鉄鋼業などのエネルギー多消費産業への投資が減少し、再エネ投資がブーム化している」と、エネルギー転換が続いていることを強調している。

 

 Xu氏は「現行の経済モデル等の分析によれば、石炭消費は今後数年間にわたって、リバウンドすることはないだろう。どちらかというと横ばいで推移し、緩やかに減少し続けるだろう」と予測している。

 

 グリーンピースのグローバル政策アドバイザーのLi Shuo氏は「中国は再エネ事業に資金を投じており、これまでの石炭集中のエネルギー政策を抑制している。こうした中国の姿勢は、米国のトランプ政権が気候変動への取り組みに疑問を示す中で、中国がグローバルなリーダーシップを担うことにつながるだろう」と述べている。

 また世界最大のCO2排出量の中国の石炭消費が頭打ち状況が確実になることで、世界全体のCO2排出量がピークをつける可能性が遠くはない、との見方も出ている。トランプ政権の米国次第という条件も付くが。

http://www.climatechangenews.com/2017/02/28/china-coal-use-fell-again-in-2016-solar-capacity-increased-82/

http://abcnews.go.com/International/wireStory/chinas-coal-consumption-falls-3rd-year-row-45793211