HOME10.電力・エネルギー |東京電力グループ、 企業向けに水力発電に限定した「CO2フリー」の新電力商品「アクアプレミアム」発売へ。三菱地所とソニーが第一号契約。個人にも販売してください(RIEF) |

東京電力グループ、 企業向けに水力発電に限定した「CO2フリー」の新電力商品「アクアプレミアム」発売へ。三菱地所とソニーが第一号契約。個人にも販売してください(RIEF)

2017-03-06 11:36:13

Acua2キャプチャ

 

  東京電力子会社の東京電力エナジーパートナーは、東電グループが保有する水力発電の電力のみに絞ったCO2フリーの電力「アクアプレミアム」を、法人企業向けに販売すると公表した。第一号の販売先は、三菱地所とソニーで、4月から売電する。水力だけの電力販売は国内では初めて。

 

 対象となる水力発電所は、東電グループが保有する一般水力発電所で、揚水発電や固定価格買い取り制度(FIT)対象電力は除かれる。法人企業は、「地球温暖化対策の推進に関する法律(温対法)」で、事業所ごとにCO2排出量を計算して公表することを求められるが、水力発電の電力は、CO2排出量の削減に活用できる。

 

 たとえば、年間100万kWhの「水力電気」を購入するとで、2015年度の東電のCO2排出係数(調整後排出係数0.491kg-CO2/kWh)に基づく場合と比べて、約500tのCO2を削減できるとしている。

 

acuaキャプチャ

 

  対象となる法人は、原則として、契約電力が500kW以上の大口顧客企業で、施設全体で使用する電気の10%以上、または年間100万kWh以上を同プランの電気で使用することが加入条件。東電グループは、同プランの売り上げの一部を、水力発電の設備改良による高効率化や、ダム周辺の水源涵養林の育成整備などに活用するとしている。

 

 契約第1号となった三菱地所は新丸の内ビルディングに、ソニーは本社ビルと、品川区のソニーシティ大崎ビルの使用電力にそれぞれ充当する予定という。

 

 FIT制度では、再生可能エネルギーなどのCO2フリーの電力は、賦課金を通じて国民全体の負担により賄われているため、「CO2を排出しない」という特性・メリットは、電気を利用する全ての人に帰属され、実際のCO2排出量は全国平均のCO2排出量を持った電気として扱う仕組みとしている。このため、今回の「アクアプレミアム」はFITの枠以外で販売することにしたという。

 

 しかし、東電がCO2フリー電力を特別のサービスとして販売することは、そうしたニーズが消費者側にあるということである。大口の法人顧客だけでなく、小口消費者の「CO2フリー電力」需要に対応するためには、FIT制度に「電源選択」の仕組みを取り入れるか、あるいは、FITの枠外でのCO2フリー電力販売の仕組みを拡大する必要がありそうだ。

 

http://www.tepco.co.jp/ep/notice/pressrelease/2017/1386201_8662.html