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中国・北京のタクシー7万台をすべて電気自動車に。年内にも切り替え開始か。市のタクシー会社への補助金が焦点に(RIEF)

2017-03-06 12:55:18

 

 大気汚染に悩まされる中国・北京市で、市内のタクシーをすべて電気自動車に切り替える案が浮上している。7万台のタクシーをガソリン車から電気自動車に切り替えるためには、9兆人民元(約13億㌦)の費用が必要。さらに市内に電気チャージステーションの整備も必要で、市当局がタクシー業界にどれだけ補助金を供給するかが焦点という。

 

 北京のタクシーを電気自動車に切り替える案は2014年にも浮上した。その時は、自動車騒音対策が主で、4年以内に4万6000台を電気自動車に切り替える計画が打ち出された。http://www.thedetroitbureau.com/2014/10/beijing-planning-to-convert-taxi-fleet-to-electric/

 

 Chinataaxiキャプチャ

 

 だが、タクシー業界への補助金が十分に供給されなかったことなどから、計画倒れに終わっている。しかし、すでに2016年だけで同国で導入された電気自動車台数は60万台を超えている。今回は中央政府も温暖化対策に本腰を入れているので、実現性が高いとみられている。

 

 また北京だけでなく、天津、河北省もタクシーの電気自動車への切り替え対象になっているという。電気自動車への切り替えは、新車登録時だけでなく、既存ガソリン車の登録タクシーにも適用される見通し。ただ、13億㌦の追加コストは、一台当たり1万9000㌦となり、タクシー会社にとっては重い負担になる。

 

 Chinaelectriccarキャプチャ

 

 切り替え規制がいつから始まり、いつまでに登録完了しなければならないかなどの詳細な情報は伝えられていない。タクシー会社からは、補助金要請がすでに出ている。一方で、自動車メーカーにとっては、一気に7万台分の電気自動車の新規需要が起きることになり、電気自動車製造能力が急上昇する効果が期待される。

 

 また国内の自動車メーカーだけでは、供給しきれないため、日本の自動車メーカーを初め、海外勢からの輸入車も解禁される可能性もあるという。電気自動車で先行する日産自動車や三菱自動車などにとって、追い風となりそうだ。

https://electrek.co/2017/02/28/beijing-electric-taxis-air-polution/