HOME8.温暖化・気候変動 |半導体部品のイビデン、米アップルへの納入部品製造に必要な電力を再エネ100%化。太陽光発電12MW分を確保。アップルのサプライチェーンを巻き込んだ再エネ100%化に日本で初めて協力(RIEF) |

半導体部品のイビデン、米アップルへの納入部品製造に必要な電力を再エネ100%化。太陽光発電12MW分を確保。アップルのサプライチェーンを巻き込んだ再エネ100%化に日本で初めて協力(RIEF)

2017-03-08 16:47:56

Appleキャプチャ

 

  米アップルは8日、同社の部品サプライヤーである日本のイビデンが、アップル向け製造活動で使う電力を100%再生可能エネルギー化することを約束したと公表した。アップルと取引する日本のサプライヤーで100%再エネ宣言をしたのはイビデンが初めて。アップルはサプライチェーンを含めグローバルベースで100%再エネ化を進めている。

 

 アップルの発表によると、イビデンは日本国内で20カ所以上の再生可能エネルギー発電所に投資する。その中には、子会社のイビデンエンジニアリングが昨年3月に愛知県高浜市に完成させた日本で最大の浮体式太陽光発電設備(1.99MW)も含まれる。2018年末までに太陽光発電だけで12MW以上を発電できるようにする計画という。これらにより、同社がアップルに納入する半導体の集積回路やチップなどの製造に必要な電力をまかなうのに十分な電力を確保できるという。

 

 イビデンは、電子関連事業とセラミック関連事業などを主力分野とするBtoB企業。電子関連事業ではプリント配線基板やプラスチックパッケージなど、セラミック関連事業では特殊炭素製品やDPFなどを、アップルをはじめとするグローバル企業に提供している。イビデンエンジニアリングは先月、岐阜県海津市で4MWの太陽光発電所を稼動させたのをはじめ、各地で再エネ活動に取り組んでいる。

 

イビデンが昨年完成した愛知県高浜市での浮体式太陽光発電施設
イビデンが昨年完成した愛知県高浜市での浮体式太陽光発電施設

 

 イビデンの再エネ100%化宣言に、アップルの環境・政策・社会イニシアティブ担当副社長のLisa Jackson(元環境保護庁長官)氏は、「イビデンのように再エネ投資がビジネスにとっても重要であることを理解しているサプライヤーと取引でき誇りに思う。われわれは引き続き100%再エネ化に向かって進んでいくが、サプライヤーのクリーン化がますます重要になってきている」と指摘している。

 

 イビデンの環境グループ担当の山中恭一氏は「われわれのアップル向けの製品は今後、よりスマートになる。スマートエネルギーの増大でわれわれの事業全体がパワーアップする。今後もアップルのパートナーであることを歓迎するとともに、日本が再エネ目標に合致するよう先導したい」と述べている。

 

 アップルはグローバルに展開するサプライヤーと協調して、2018年末までにアップル製品の生産のために、再エネ電力を年間25億kWh以上、生み出す計画という。これは、年間に40万台のガソリン車が排出するCO2を削減する効果に相当する。すでに、これまでに23カ国で100%再エネ化を達成しており、世界全体でも93%の再エネ化率になっているという。

 

http://www.apple.com/newsroom/2017/03/apple-takes-supplier-clean-energy-program-to-japan.html

http://www.ibiden.co.jp/

http://www.apple.com/jp/