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昨年の大気中CO2濃度、2年連続で3ppm増加。観測史上過去最高の405.1ppmに。産業革命前からすでに43%増加。米NOAAが公表(RIEF)

2017-03-11 21:49:09

NOAA1キャプチャ

 

 米海洋大気局(NOAA)は10日、大気中の二酸化炭素(CO2)が2016年を通じて、3ppm増加し、観測史上過去最高の405.1ppmに達したと公表した。年間3ppmの増加は、15年に続くもので、2年間で計6ppm増加は過去例のない急増となっている。

 

 NOAAの大気中CO2の観測はハワイにあるマウナロア観測所で1974年から続けている。14年までは年間2ppm台の増加で、2ppm以上の増加が3年続いた後、すでに3ppm台に入っているわけだ。

 

 NOAAのGlobal Greenhouse Gas Reference Networkの主任科学者の Pieter Tans氏によると、「過去10年間のCO2の伸び率は、地球の前回の氷河期以降のどの10年と比べても100~200倍も早いピッチ。これは大気にとって極めて深刻な変化だ」と指摘している。

 

 大気中のCO2濃度は、1万年前から産業革命前の1760年ころまでは280ppm台で推移していた。しかし、2015年に400ppmを突破した。産業革命前の水準に比べると43%増加したことになる。2017年に入ってからも、増加ピッチは止まらず、すでに2月の時点でマウナロアの観測所は 406.42 ppmに上昇している。

 

 NOAAはハワイのマウナロアで採取した大気中成分の正確性を期するため、観測所のある山頂の大気を収集して、コロラド州ボルダーにあるNOAAのEarth System Research Laboratoryで審査している。

 

 米国では観測された科学的データでCO2などの温室効果ガスの増加が確認されているが、米環境保護局(EPA)の新長官に就任したスコット・プルイット(Scott Pruitt)氏は、CO2は地球温暖化の主な原因ではないとの持論を展開、多くの科学者らの考えを否定する姿勢を示している。

http://www.noaa.gov/