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伊藤忠商事、九州電力等が推進しているインドネシア・スマトラでの地熱発電、1号機稼動。世界最大規模のIPPプロジェクト(RIEF)

2017-03-22 17:12:14

CI2キャプチャ

 

 伊藤忠商事と九州電力などがインドネシアのスマトラ島で開発を進めてきた世界最大級の地熱発電のサルーラ地熱発電所1号機が稼動した。年内に追加稼動する2号機、来年稼動の3号機を合わせた総発電容量は320.8MWに達する。今後30年間にわたってインドネシア国有電力(PLN)に売電する。

 

 インドネシアは世界有数の地熱資源保有国で、地熱開発を戦略的な電力源として位置づけている。今回のサルーラ発電所はインドネシア国有石油会社のPT Pertamina Geothermal Energy(PGE)が保有する地熱鉱区での開発だ。単一開発契約としては世界最大規模の地熱発電IPP(独立発電事業)となる。

 

 事業には2社のほか、国際石油開発帝石(INPEX)、インドネシアのPT MEdoco Power Indonesia、Ormat Technologiesがそれぞれ参加する。各社が共同出資して設立したサルーラオペレーションズ社が事業運営を担当する。総事業費は16億㌦(約1800億円)。

 

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  今回稼動した1号機は当初、昨年11月の稼動予定だったが、施工の不備等で遅れていた。発電容量は105.9MW。現在の計画では2号機は今年11月、3号機は来年5月の稼動の見通し。豊富な地熱エネルギーを生かして、さらに4号機以降の拡張計画の可能性もあるという。

 

 インドネシアの地熱埋蔵量は豊富で3000万kW(30GW)規模の発電が可能との試算もある。ただ地熱発電は熱源調査に時間がかかるうえ、発電設備のコストも大きい。このため、これまでインドネシアは比較的簡単に建設できる石炭火力発電の建設を先行させてきた。しかし、石炭火力の場合、CO2排出量を増やすうえ、周辺住民の健康問題をも引き起こすなどの課題が大きい。

 

 こうしたことから、同国のジョコ政権は、地熱をはじめとする再生可能エネルギー開発を推進する方針を掲げている。地熱発電所の開発はこれから本格化する考えだ。

https://www.itochu.co.jp/ja/news/press/2017/170322.html