HOME10.電力・エネルギー |関西電力 兵庫県の石炭燃焼の相生火力発電所2号機を「木質バイオマス100%発電」に切り替え。燃料はカナダから調達。再エネ発電比率向上に一歩(RIEF) |

関西電力 兵庫県の石炭燃焼の相生火力発電所2号機を「木質バイオマス100%発電」に切り替え。燃料はカナダから調達。再エネ発電比率向上に一歩(RIEF)

2017-04-06 13:02:32

kanden2キャプチャ

 

  関西電力は5日、兵庫県相生市にある石油燃焼の相生発電所2号機を木質バイオマス100%発電に切り替えると発表した。燃料の木質バイオマスの安定調達と発電所運営のため、三菱商事子会社の三菱パワーと共同で新会社を設立した。

 

 関電では、今回の燃料転換について、発電に占める「再生可能エネルギー比率を向上させるため」と説明している。パリ協定の発効後、電力会社には石炭火力等の化石燃料使用への批判が国際的に高まっている。日本でも2030年度に温室効果ガスを26%削減(2013年度比)することを目標としており、CO2排出量の多い産業への排出削減要請が高まるとみられている。

 

 関電の相生発電所のうち1号機と3号機は石油と天然ガスの混焼。2号機だけが石油(重油、原油)専焼になっており、CO2排出量が相対的に多い。現在の石油専焼での発電量は37.5万kWだが、バイオマス専焼に切り替えることで、発電量は約20万kWと下がる。しかし発電時にCO2は一切出さないと計算されるので、同社の再エネ比率は向上する。

kanden1キャプチャ

 

 バイオマス発電の最大の課題は、燃料の安定確保にある。相生2号機は木質バイオマス100%の発電所としては国内最大級となることから、三菱商事がカナダなどから木質バイオマスを安定調達する。また、新たに設立した合弁会社の「相生バイオエナジー」は、発電所の設計・運営・電力販売までを一環して担当する。資本金は4億5000万円、出資比率は関電が60%、三菱商事パワーが40%。

 

 関電は昨年12月に同じ兵庫県の朝来市に木質バイオマスを燃料とする朝来バイオマス発電所(出力5600kW)を稼動させており、今回の相生発電所が2件目となる。今後、2030年に向けて再エネ発電を50万kW程度に増やす計画という。

 

 http://www.kepco.co.jp/corporate/pr/2017/0405_1j.html