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リコー。2050年にバリューチェーン全体で「CO2排出ゼロ」を宣言。再エネ100%への転換も明記。国際イニシアティブの「RE100」に日本企業として初参加。中期経営計画と連動(RIEF)

2017-04-21 12:23:42

Ricoh1キャプチャ

 

 リコーは21日、地球温暖化対策のパリ協定や、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の制定などを見据えて、新たにグループ全体の環境目標を設定、2050年までにCO2排出量をゼロとする目標を設けた。同時に、事業活動で利用するエネルギーを、再生可能エネルギーに100%転換する国際イニシアティブの「RE100」に、日本企業として初めて参加した。

 

 山下良則社長が公表した。同社は、2017年度からの第19次中期経営計画に合わせて、5つの「重要社会課題」を選定した。生産性向上、知の創造、生活の質の向上、脱炭素社会の実現、循環型社会の実現の5目標だ。このうち、脱炭素社会と循環型社会の二つの目標実現は、リコー一社だけでなく、グループ全体の共通目標と位置づけ、新たに「グループ環境宣言」を掲げた。

 

 同宣言は、「環境負荷削減と地球の再生能力向上に取り組み、事業を通じて脱炭素社会、循環型社会を実現する」というもの。この実現のためのグループ環境目標として、温暖化対策では取引先を含めたバリューチェーン全体のCO2の削減量を、2030年に30%削減(05年比:GHGスコープ1,2)、スコープ3では15%削減し、2050年には全体でCO2排出ゼロの実現を目指す。

 

Richo2キャプチャ

 

 CO2排出ゼロの実現のために、工場や営業活動などで排出されるCO2量(スコープ1)を最小化するとともに、光熱費(スコープ2)の再エネ転換を進め、50年に再エネ100%に切り替える。企業活動に伴うサプライチェーンでの排出量(スコープ3)については、ビジネスパートナーとの連携で、バリューチェーン全体を脱炭素化する。

 

 具体的なCO2削減対策としては、工場での生産プロセスの改善、製品エネルギー効率の向上、事業所での再エネの導入、再エネ関連技術開発、サプライヤーへのCO2削減活動支援などを推進していく。

 

 省資源目標としては、2030年に製品の省資源化率を50%に、50年には同93%にまで引き上げる。省資源化率は、新規投入資源削減量を総投入資源量で割った値として算出する。

 

 リコーは新たなグループ環境目標の設定に際して、最終的に目指すべき望ましい姿を設定し、その実現に向けた通過点として現時点での目標を設定する「バックキャスティング方式」を採用している。最終目標としては環境、社会、経済の3つのP(Planet、People、Prosperity)の実現に置いている。

 

 「RE100」は2014年に英国の環境NGOが提唱した国際イニシアティブ。事業活動に伴うエネルギー使用を再エネ100%とすることを宣言するとともに、達成状況を第三者監査を踏まえた情報開示をする必要がある。現在、ネスレ、イケア、ナイキ、マイクロソフト、P&G、スターバックス、ウォルマート、ユニリーバ、GM、H&Mなど87社が宣言している。