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太陽光発電投資で国税当局から追徴。東京の「アール・エス・アセットマネジメント」社。ファンドへの投資企業約110社も修正申告へ。経産省のチェックにも甘さ(各紙)

2017-04-24 12:18:46

RSキャプチャ

 

 各紙の報道によると、太陽光発電所建設に携わるファンド運営会社が管理する発電事業会社2社が、東京国税局から重加算税を含む約18000万円を追徴課税され、修正申告をしたことがわかった。「節税」をした発電事業会社2社への出資企業約110社についても、修正申告が必要になる可能性があるという。 

 

 読売新聞等が報道した。東京国税局の税務調査で修正申告を行った運営会社は「アール・エス・アセットマネジメント」(東京)社。同社が管理する発電事業会社2社は、茨城と栃木両県に発電所建設を計画し、民間投資を促すことを目的とした政府の優遇税制措置を受けていた。同措置の適用は、昨年(平成28年)3月末までに設備取得と事業開始が条件となる。しかし、各紙によると、実際には条件となる工事が完了していないにもかかわらず、発電事業会社2社は、工事が完了したとして、優遇税制の適用を受けていたという。

 

 この措置の適用で、発電事業会社2社は工事代金約20億円を減価償却費として一括計上した。その分をファンドに出資した投資家約110社に分配したため、出資会社は法人税を節税できたことになる。この税制措置の適用以外にも、2社は設備取得を前提にして消費税の控除を申告していたが、実際には対象となる設備の工事は未完だったことに伴い、国税局から重加算税を含めて約1億8000万円の消費税を追徴課税された。

 

 また、2社への出資そのものが節税商品になるとして金融サービス会社「SBIマネープラザ」(同)が販売し、出資各社から投資資金を集めていたという。

 

 太陽光発電ファンドへの出資は節税商品として投資家に人気を集めている。しかし、今回のような税制を利用したケースが発覚したのは初めて。優遇税制の適用条件を満たしているかどうかは、所管官庁の経済産業省が確認する責任を負うが、今回は国税の税務調査で指摘されるまで見逃されており、経産省のチェック態勢の甘さが明るみに出た。

 

 アール社は、国税当局から指摘を受けたことを認めたうえで、「一部未完成のままでも電力会社の送電設備との連系がなされたことで、太陽光発電設備を事業の用に供し、特別償却が適用されると判断していた。二度と同様なことが発生しないように、事前の税務当局への確認 および複数専門家の助言の活用等、再発防止体制を整える」と説明している。

(2020年7月9日に一部修正)

https://www.rs-asset.co.jp/infomation.pdf