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世界の科学者たちが、トランプ政権の「科学無視の温暖化政策後退」に抗議。アースデーに合わせて世界中でデモ・抗議集会等を展開(各紙)

2017-04-24 14:01:06

NYキャプチャ

 

 各紙の報道によると、トランプ米大統領が地球温暖化問題を軽視した政策を展開しようとしていることに抗議する、科学者のデモ行進「マーチ・フォー・サイエンス」が22日、米ワシントンをはじめ世界各地で開かれた。「地球の日(Earth Day)」に合わせて、展開された。

 

 科学者有志がインターネットで呼びかけ、米国最大の科学団体「米科学振興協会」などが支援した。主催者によると、東京やロンドンなど世界600以上の都市で数十万人が参加したという。日ごろは政治的な行動をとることには消極的とされる科学者たちが、自らの研究成果等を否定する形のトランプ大統領の言動に対して異例の抗議の声を上げる形となった。

 

 米ワシントンでのデモ行進に参加した人々は、トランプ政権が計画する温暖化対策をはじめ環境関連の研究費カットや、環境保護庁や米宇宙局(NASA)などでの科学者の解雇・リストラなどの動きを強く批判、科学に基づかない政策の後退について反旗を翻した。

 

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 ホワイトハウス前に集まった科学者たちは、「温暖化は事実」「科学を黙らせることはできない」「米国に賢さを取り戻せ」といった多くのプラカードを掲げ、連邦議会に向けて行進した。参加した学者のクラリサ・マシューズさんは「政策は科学に基づいて実施すべきだ」と呼びかけた。

 

 

 イギリスの首都ロンドンで開かれた集会には、数千人の科学者や市民が参加した。参加者は「地球温暖化は現実だ」などと書かれたプラカードを掲げて市内を行進し、トランプ政権に抗議するアメリカの科学者たちに連帯を示そうと訴えた。

 

 ワシントンでは1万人以上(米メディア推計)が参加したほか、日本では東京や茨城県つくば市で集会を開いた。北極にいる探検家もツイッターで参加表明したという。

 

 一方、トランプ大統領は同日、声明を出し、「米国の労働者家庭を害さずに環境を守らねばならない」と主張。オバマ大統領が計画した石炭火力発電所のCO2規制について、炭鉱労働者らの職を奪うとして、計画を撤廃する意向を改めて示唆し、科学者の抗議を無視する姿勢をみせた。