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東芝、新電力子会社の火力発電所をバイオマス専焼にリニューアル。CO2年間30万㌧削減。ただ、燃料はインドネシアからの輸入PKSに全面依存(RIEF)

2017-05-01 13:29:37

toshiba1キャプチャ

 

 東芝は子会社の新電力企業「シグマパワー有明」が福岡県大牟田市で運営する石炭・木質バイオマス混焼の三川発電所を、バイオマス専焼発電にリニューアルした、と公表した。バイオマス専焼に切り替えることで、CO2排出量を年間30万㌧削減できる。ただ、燃料のバイオマスはインドネシアの輸入パーム椰子殻(PKS)に依存しており、輸入先での生態系確保などへの対応が求められる。

 

 三川発電所は2005年5月に石炭火力発電として稼動した。その後、2008年から木質バイオマスとの混焼に切り替えていた。今回、バイオマス専焼発電所に再リニューアルしたことになる。東芝グループでは初のバイオマス発電所となる。

 

 発電所のタービンと発電機は東芝製。主燃料はインドネシアから輸入するパーム椰子殻(PKS)を採用する。発電所に近接する三池港から年間約20万㌧を陸揚げする。またPKSを最大3万㌧まで貯蔵できる専用置場を発電所構内に設置した。広さはサッカーグラウンドにして約3面分に相当するという。

 

 発電出力は5万kWで、一般家庭約8万戸の年間消費電力に相当する電力を供給する。バイオマス専焼にすることで、CO2排出量を年間約30万㌧削減でき、排出削減に貢献する。同発電所は、東芝がCO2分離回収技術(CCS)や高効率発電機器の実証を行う開発拠点にもなっている。

 

 2020年には環境省の「環境配慮型CCS実証事業」として、CCS施設が立ち上がる予定。同事業では、1日に排出されるCO2排出量の50%に相当する500㌧以上のCO2を分離・回収する計画という。

http://www.toshiba.co.jp/about/press/2017_04/pr_j2702.htm