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メタンハイドレート、愛知・三重県沖で4年ぶり産出に成功。安定生産と採掘費用低減が課題(各紙)

2017-05-05 12:48:08

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 各紙の報道によると、経済産業省は4日、愛知・三重両県沖で実施中のメタンハイドレートの採掘実験で天然ガスの産出に成功した、と発表した。メタンハイドレートは次世代燃料として期待されており、今回の産出成功は2013年の試験採掘に続いて2回目。今後は1カ月ほど連続運転を行い、天然ガスを安定的に生産できるかを確認する。

 

 メタンハイドレートは、低温・高圧の環境下でメタン分子が水分子に囲まれた網状の結晶構造となっている飽和水和物の固体。見た目は氷状で、「燃える氷」と呼ばれる。解凍するとメタンガスと水に変わる。

 

 日本の周辺の海域は、世界有数のメタンハイドレート埋蔵量を持つとされる。本州、四国、九州などの西日本南側の南海トラフは最大の推定埋蔵域を持つとされる。このほか、北海道周辺と新潟県沖、南西諸島沖などにも存在することが確認されている。

 

 13年の前回実験は世界で初めて採掘に成功したが、その後、設備トラブルが起こり、6日間で実験を打ち切っている。このため今回は、継続生産ができるかどうかが目標だ。経産省では2030年代後半の商業化を目指しているが、安定生産の技術基盤確保と、生産コストの引き下げが大きな課題となっている。

 

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 採掘実験では、海洋研究開発機構(JAMSTEC)の地球深部探査船「ちきゅう」が、水深約1000mの海底から約300m掘り進めて、メタンハイドレートを採掘、それを水とメタンガスに分解してメタンガスの産出を確認したという。メタンハイドレートは次世代の国産エネルギーと期待されている。

 

 

 JAMSTECでは、安定生産のめどがついた場合は、民間主体の開発への移行を検討し、商業化を目指すとしている。

http://www.jamstec.go.jp/j/about/press_release/