HOME10.電力・エネルギー |伊藤忠、2019年の太陽光発電の余剰買取制度終了を睨み、家庭用リチウムイオン蓄電システムの新モデル販売へ(RIEF) |

伊藤忠、2019年の太陽光発電の余剰買取制度終了を睨み、家庭用リチウムイオン蓄電システムの新モデル販売へ(RIEF)

2017-05-13 22:59:45

CI1キャプチャ

 

  伊藤忠商事が家庭用リチウムイオン蓄電の新モデルを販売する。太陽光発電の余剰電力を固定価格で買い取る制度が、2019年で終了することから、家庭での太陽光発電の自家消費需要が高まることを睨んで、高性能の蓄電池を投入する。制度終了の3年後をめどに年間1万台の販売を想定している。

 

 太陽光発電については、再生可能エネルギー発電の固定価格買取制度(FIT)が2012年に始まるよりも3年早く、2009年から余剰電力を買い取る制度が導入された。家庭での太陽光発電の余剰電力の買取は、10kW未満の小規模発電で、09年の初年度は1kWで48円の高値で買い取られている。

 

 しかし買取期間は10年と定めているので、2019年以降は、電力会社側の買取義務はなくなる。小口電力完全自由化がスタートしているため、電力会社が引き続き別途定める価格で買い取ることや、新電力等が新たに契約対象になる可能性がある。だが、買い取り対象の余剰分を含めて、家庭での電力の自家消費需要が高まる期待もある。

 

 家庭で充電できる電気自動車の普及などが、家庭発電の魅力を高めているためだ。そこで、伊藤忠は、昼間に発電した電力を夜間でも自由に家庭で使えるよう、家庭用リチウムイオン蓄電システムの容量を増やし、サイズは小型化した新モデル「Smart Star L」を売り出す。

 

 電池は、エネルギー密度の高いものを採用、容量は9.8kWhと標準世帯の約1日分の消費電力をまかなえる。サイズは従来モデルに比べ、3割程度、小型化した。工事費別の消費税抜きの価格は285万円。一ランク上の自動車並みの価格だ。停電の際の自立運転時でも、エアコン、IHなどの家庭内の200V機器を稼働できる。電力の使用は特定のコンセントに限定せず、“家まるごとバックアップ機能”を完備している。

 

 伊藤忠は、2014年に家庭用蓄電システムを発売し、これまでに累計で約1200台を販売した実績を持つ。個々の家庭向けに新モデルの蓄電池の販売をするだけでなく、各家庭の太陽光発電を軸とする分散エネルギー源を、ネットワークして一つの発電所のように制御する「バーチャルパワープラント(仮想発電所)」の事業展開も視野にいれているという。


 
 https://www.itochu.co.jp/ja/news/press/2017/170512.html