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GE の再生可能エネルギー投資額、累計で150億㌦(約1兆6800億円)を突破。発電容量は16GWに。エネルギー投資の半分が再エネ。原子力投資はほぼゼロ(RIEF)

2017-05-29 18:32:53

GE2キャプチャ

 

  GEが手掛ける再生可能エネルギー分野への投資総額が150億㌦(約1兆6800億円)を上回った。発電容量は16GWを超え、米ロサンゼルス市の全世帯の使用電力量の3.5倍の電力を作り出したことになる。GEは、かつては東芝のように原子力事業を経営の柱に据えていたが、再エネ重視に切り替え、順調に事業を拡大している。経営判断の差ということか。

 

 GEのエネルギー部門を担うGE Energy Financial Servicesが公表した。対象となる再エネ投資事業は、太陽光、風力などが主流。風力への投資が全体の75%太陽光が18%、7%がその他の再エネ発電で、その中には最近投資した米国の Block Island Wind Farm とドイツのMerkur Offshoreの2つの洋上風力発電事業も含まれる。

 

 全体で150億㌦の再エネ投資だが、ここ3年間では合計50億㌦に達しており、2014年の年間10億㌦を年平均でも上回り、増加基調にあることがわかる。投資先は米国に限らず、世界17カ国に点在している。再エネ投資によってCO2排出量を4100万㌧以上、削減したことになり、自動車に換算すると約900万台以上分の排出量に該当するという。

 

 再エネ投資は、GEだけではなく、世界的に増加しており、化石燃料投資と比較しても、再エネ2対化石燃料1の割合で推移している。その中でもGEの再エネ投資の成長率は際立っているわけだ。

 

 GE Energy Financial ServicesのCEOであるDavid Nason氏は「再エネ分野は世界中で投資が増加する活気溢れる未来が拓けている。雇用を生み出し、グローバルな環境問題を解決する魅力があふれている。GEはこうした分野で最新の技術とデジタル化の進展によって、この魅力ある資産分野に投資を続けていく」と述べている。

GEキャプチャ

  GE Energy Financial Services はGE本体の資本戦略に添う形で、再エネ産業分野に、株と債券の両金融商品へ投資するとともに、事業者に対してGEとそのグローバルな取引先による技術・サービスの支援を提供するビジネス展開を行っているという。

  投資総額150億㌦という節目に至るうえで、2016年に米国市場で16件の風力発電を中心とした再エネ事業を手掛けたことが、実績向上につながった。16事業で発電総量は1.4GWでいずれも今年、稼動する予定という。米市場では風力発電が50州すべてで投資可能で、技術進展が著しく、より大きく、より信頼できる風力発電が低コストで拡大している。

 GE Energy Financial Servicesはこれまで35年以上にわたってエネルギー分野への投資を続けているが、経済サイクルの変化に応じてその投資ポートフォリオの中身は入れ替えている。現在は、エネルギー市場と主要インフラ事業への投資総額のうち、50%は再エネが占め、石油・ガスインフラ事業と、火力発電事業が各25%となっている。原子力事業については日立製作所との間で、合弁でGE日立ニュークリア・エナジーを立ち上げているが、原発による発電事業はほとんどない。

 エネルギー投資も、発電事業の技術面、経済面の変化・変貌を常時見極めて、柔軟な投資の入れ替えを行うということのようだ。日本の電力会社や充電メーカーも、GEから学ぶ点が多いといえる。

http://geenergyfinancialservices.com/press_releases/view/433