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トランプ大統領、バチカン法王庁訪問。フランシスコ法王から、「平和」のオリーブと「環境」の書物贈られる。パリ協定からの離脱はG7サミットから帰国後に最終決断の意向示す(各紙)

2017-05-25 17:21:38

trump4キャプチャ

 

  トランプ米大統領は24日、バチカンのローマ法王庁を訪問、ローマ法王フランシスコと初めて会談した。イタリアのシチリア島で26 日から開催するG7首脳会議出席の途中に立ち寄った形で、法王庁によるとトランプ氏は、焦点のパリ協定からの米国の離脱の判断については、「米国に帰るまでは最終決定はしない」と述べたという。

 

 トランプ大統領のパリ協定に関する発言は、法王のほか枢機卿なども交えた会談の場で、ピエトロ・パオリン枢機卿が、米国はパリ協定から離脱しないように、と要請したことへの大統領の返答だったという。市場では今回のG7サミットで、米国がパリ協定への態度を最終的に表明するのでは、との見方が強い。今回の会談での大統領の説明通りだとすると、依然、政権内部で意見の調整がついていないことになる。

 

 訪問に参加した国務長官のティラーソン氏は、「彼ら(法王と法王庁)は、協定にとどまるよう強く求めた」と認めたうえで、「われわれは気候変動の解決と、経済の繁栄、雇用の確保を同時に達成する困難な課題を抱えていることについても、意見交換をした」と述べた。

 

 法王と大統領の会談では、気候変動問題以外にも、政治的交渉や宗教間対話を通じた世界平和の促進などについて意見を交わした。法王は環境に関するカトリック教会の書物や、平和の象徴であるオリーブの彫像をトランプ氏に贈呈した。

 

 法王が大統領に贈呈した環境に関する書物は「Laudato Si’: On Care for Our Common Home」と題するもの。このほか、家族と福音の喜びについての法王の書籍2冊、世界平和の日のメッセージも手渡した。法王は「あなたが平和を築くオリーブの木になることが私の願いだ」と付け加えた。

 

 これに対して、トランプ氏は「(贈られた書籍を)みんな読みます」と答え、「あなたの言葉は忘れません」と述べた。返礼の形で、公民権運動の指導者キング牧師の著書を法王に渡した。

 

 フランシスコ法王は昨年の米大統領選挙の際、トランプ氏が移民や難民に排他的な姿勢を見せたため、トランプ氏を「キリスト教徒ではない」と強く批判していた。ただ、今回の会談について法王庁は、「温かな会談で、米国との良好な関係を確認できた」と評価しており、対立が目立った両者の和解に向けた会談となった。

 

 会談後、トランプ氏は記者団に対して「(会談は)素晴らしかった」と評価した。またその後、ツィッターで「世界の平和を、これまで以上に断固として追求する決意を固めて、バチカンを後にした」とつぶやいている。

http://w2.vatican.va/content/vatican/it.html