HOME8.温暖化・気候変動 |昨年の世界の太陽光発電新規導入量、前年比50%増の7660万kW。累積で初の300GW台乗せ。日本は新規導入量3位だが、前年比22%減でブレーキ(RIEF) |

昨年の世界の太陽光発電新規導入量、前年比50%増の7660万kW。累積で初の300GW台乗せ。日本は新規導入量3位だが、前年比22%減でブレーキ(RIEF)

2017-05-31 22:31:09

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 欧州の太陽光発電関連関係者で組織するソーラーパワー・ヨーロッパ(旧欧州太陽光発電産業協会)は、2016年の世界全体での太陽光発電の新規導入量が前年比49.6%増の7660万kWだったと公表した。2年連続で過去最高を更新した。国別では中国が3450万kWで全体の45%を占めた。

 

 49.6%増の伸び率は2010年以来で、三番目に高い成長率だった。国別の新規導入量で第一位だった中国の前年比伸び率は128%増と急増した。2位は米国で97%増の1480万kW。日本は大型案件の承認が遅れた影響などで860万kWで前年比22%減の3位。4位に125%増のインドが入った。地域別の累積導入量ではアジア大洋州が欧州を抜き世界最大だった。

 

 グローバルな太陽光の総発電能力は300GW(1GWは100万kW)を突破し、306.5GWとなった。15年に200GW台(229.9GW)に乗せてから1年での大台替えだ。100GWに達したのは2012年だったから、この5年で3倍に膨らんだことになる。

 

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 国別の総発電能力では、中国が世界の太陽光発電の発電量の25.3%の77.9GWを占め、次いで16年の累積導入量シェアは中国が25.3%を占め、日本(14.0%)、米国(13.8%)、ドイツ(13.4%)の順。欧州全体では104.3GW(34%)を占めている。

 

 欧州の新規導入量は6.7GWで、前年比22%減少した。これは太陽光発電がすでに各国にかなりの程度行き渡り、再エネ発電の中心が、洋上風力やバイオマスなどにシフトしていることも反映している。

 

 今後の総発電量予測では、2018年に400GW台に乗せ、その後も毎年大台替えが続き、2021年には700GWに乗せる。太陽光発電の導入が加速するのは、コスト低下の影響が大きい。昨年のアブダビによる契約はMWh当たり24.4㌦と最も低い価格を付けている。

 

 

 米投資銀行の Lazard Capitalの分析では、すでに太陽光発電の価格はガス燃料の最新の複合サイクルガス発電(CCGT)や石炭火力、原子力発電よりも安いという。ただ、急速な価格低下や普及の進展の一方で、電力網への接続や蓄電問題などの課題が残っているという。

 

 

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  今後の市場成長の見通しを、高シナリオと低シナリオで示している。それによると、中国は高シナリオで160.4GW、低シナリオで88.4GWでトップ、次いでインドが88.4GWと49.8GW、米国81.0GWと47,2GW、その次に日本が40.2GWと19.8Gの順になっている。ただ、日本については今年の固定価格買い取り制度(FIT)の制度見直しの影響が不確実だとしている。

http://www.solarpowereurope.org/index.php?eID=tx_nawsecuredl&u=0&g=0&t=1496321745&hash=408b7d08dbdeb69f5b11ff8ec5ce4881a103ae95&file=fileadmin/user_upload/GMO_2017.pdf