一般社団法人環境金融研究機構 | Research Institute for Environmental Finance: RIEF

 　トランプ米大統領は、地球温暖化を抑制する国際合意であるパリ協定からの米国の離脱を表明する。米紙が複数の政権幹部の情報として報道した。トランプ大統領は選挙期間中から、協定からの離脱に言及しており、公約通りの決断をすることになる。パリ協定の効力が低下することは避けられず、日本を含む協定参加各国は対応を迫られる。

　ニューヨークタイムズ紙は、トランプ大統領のパリ協定からの離脱決定について、決定に関与する政人の政権幹部からの情報を得たとして報道した。CNNやCBSなども同様の報道を行った。早ければ31日中、あるいは週内に、大統領自身が表明するとみられる。

　パリ協定からの離脱を巡っては、政権内部でも、国務長官のティラーソン氏や、娘のイバンカさんらが離脱に反対の立場をとり、プルイット環境保護庁長官らは離脱強硬派として、対立していたと報道される。ただ、共和党の主流派にも離脱派が多く、議会との歩調をとる意味もあるようだ。

　パリ協定はすでに発効しており、批准国の離脱の実行は実質4年後になる規定がある。このため、離脱宣言して4年間待つのか、あるいは協定の元になる国連気候変動枠組み条約（UNFCC）から離脱することで即座の離脱を決めるのか、手順が焦点となる。条約からの離脱の場合、議会承認が必要となる。

https://www.nytimes.com/2017/05/31/climate/trump-quits-paris-climate-accord.html?_r=0

http://www.climatechangenews.com/2017/05/31/trump-withdraw-paris-agreement-reports/