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茨城・大洗町の日本原子力機構での放射性物質漏れ事故で、作業員1人の肺から2万2千ベクレルの高濃度放射性物質を検出(各紙)

2017-06-07 17:41:17

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 各紙の報道によると、日本原子力研究開発機構の「大洗研究開発センター」(茨城県大洗町)の燃料研究棟で6日、作業中に放射性物質を浴びて被爆した男性作業員5人のうち1人の肺から最大約2万2千ベクレルの放射性物質が計測されたことがわかった。放射性物質はプルトニウム239という。原子力規制委員会の田中俊一委員長は「(作業の)慣れでこういうことが起きた」と、人為ミスを指摘した。

 

 肺から計測された作業員は50代の機構職員。機構は7日、検査の必要があるとして、同作業員を含む被爆した5人全員を放射線医学総合研究所(千葉市)に搬送した。規制委の委員は定例会合で「半端な被ばく量ではなく、事態は軽微ではない」と述べた。

 

 原子力機構によると、事故があったのは6日午前11時15分ころ。高速炉の新型燃料などを研究開発していた燃料研究棟の分析室で、実験が終わったウランとプルトニウムの混合燃料の保管状況を調べるため、5人が直径10cmほどの円筒形の金属容器のフタを開けた。すると、容器を覆っていたビニールが破れて粉末状の放射性物質が飛散したという。5人の防護服や手袋が汚染された。

 

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 5人はいずれも口や鼻をマスクで覆委、防護服を身に着けていた。当初、3人の鼻腔内からは最大24ベクレルの汚染が確認された、と発表されていた。また防護服にも飛散した放射性物質が付着していた。このため、同機構は「健康に影響が出るほどではないと考えている」と説明していた。ところが、その後の検査で、一人から高濃度の放射性物質を検出した。施設外への放射性物質漏れはなかったという。

 

 大洗研究開発センターは、高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)廃止後の高速炉研究の拠点に位置付けられ、同機構が再稼働を目指す高速実験炉「常陽」がある。燃料研究棟は2013年に廃止方針が決まり、現在は核燃料物質の保管などをしている。

 

 同機構を巡っては13年5月、高エネルギー加速器研究機構と共同管理する加速器実験施設「J-PARC」(茨城県東海村)にある原子核素粒子実験施設で放射能漏れ事故が発生。研究者ら34人が被ばくし、施設外に放射性物質を放出した。国や県、村などへの報告が発生から1日半後と遅れ、事故後も換気扇を回し続け、内部の空気を排出し続けたことなどが批判を浴びた。

 

<日本原子力研究開発機構> 高速増殖原型炉もんじゅ(福井県)や放射性廃棄物の処分など、原子力の研究開発をする文部科学省所管の国立研究開発法人。源流は動力炉・核燃料開発事業団(動燃)で、1995年のもんじゅナトリウム漏れ事故後、組織改編を繰り返して延命。2005年、日本原子力研究所と核燃料サイクル開発機構を統合して現在の組織になった。政府は2016年、もんじゅの廃炉を決定した。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201706/CK2017060702000117.html

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2017060701001087.html

http://digital.asahi.com/articles/ASK666R5BK66ULBJ00W.html