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福島・飯舘村、既存の太陽光発電に風力発電を併設。太陽光単独より設備使用率が倍近く向上。「太陽光・風力併設発電」は日本初(RIEF)

2017-06-08 11:50:07

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  東京電力福島第一原発事故で被害を受けた福島県飯舘村で、復興を目指して設置された太陽光発電所の発電効率と安定を高めるため、風力発電を併設する計画が動き出した。「太陽光・風力併設発電」を目指すのは「いいたてまでいな太陽光発電所」。風力を併設することで太陽光発電の設備使用率は、ほぼ2倍に高まるという。

 (写真は、風力発電を併設した予想図)

 

 「いいたてまでいな太陽光発電所」は、東光電気工事が55%、飯舘村が45%を出資する特別目的会社「いいたてまでいな太陽光発電株式会社」が運営主体。発電容量は11.8MW、連系出力は10MW。2016年3月から稼働、年間発電量は1100万kWhの見込み。

 

 太陽光発電だけの設備利用率は2016年度実績で14.4%だった。シュミレーションによると、これを風力を併用することで、全体で28.6%まで引き上げることができるという。太陽光、風力とも、自然条件によって発電量が変動するが、日照と風況の変化が互いに補い合う効果で発電効率が高まる。

 

 導入する風力発電は1基3.2MWの風車が2基。発電量の合計は6.4MW。太陽光発電の出力が日照不足で連系枠の10MWを下回る場合、風力発電の電力で補う。太陽光と風力合計の出力が10MWを上回りそうな場合は、風力発電を止めて制御する。既存の太陽光発電に風力を併用する仕組みは、日本初の試みという。発電した電力は従来通り、東北電力に売電する。風力発電の稼働は2018年12月の予定。

 

 発電所全体の設計・調達・施工(EPC)は東光電気工事が担当する。飯舘村は東電福島事故の影響で大きな被害を受けており、復興計画の柱に再エネ活用を推進している。発電所で得た売電収益は村の復興に充当される。

http://www.tokodenko.co.jp/news/1474/