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韓国 1978年に稼働した韓国最初の原発、古里一号機を今月19日に使用停止・廃炉に。文政権の原発見直し策の第一弾(RIEF)

2017-06-11 08:00:02

kori1キャプチャ

 

 韓国政府は韓国で最初に建設された古里原発1号機を今月19日で使用を停止、廃炉にする。同原発の使用停止は、2015年6月に決まっていたが、予定通りに実施することで、文在寅大統領が就任直後に打ち出した老朽原発使用停止の第一号との位置づけとなった。

 

 古里1号機は1978年に韓国最初の商業用原子力発電として稼働を始めた。その後、2007年に改造し、運転免許も新たに更新して、2027年まで運転延長が可能になっていた。

 

 しかし、2012年2月に、定期点検中に外部電源が停止、非常用ディーゼル発電機も作動しない全電源喪失事故を引き起こした。さらにその事故発生を翌月の3月まで隠蔽するなどの不祥事が発覚。2015年6月に産業通商資源部から廃炉勧告を受けた。

 

 古里1号機はそれ以外にも複数の違反などを重ねていた。このため、運営会社の「韓国水力原子力会社(KHNP)」は全電源喪失事故が明らかになった段階で、いったん認められていた運転延長の免許を2017年6月で停止すると決めていた。今回の決定実施が予定通りに実施することになった背景には、文政権が就任直後に、操業期限が到来した老朽原発は、日本のように操業延長をせず、期限通りに閉鎖する方針を打ち出したことが原動力になった。

 

 文政権は、原発について安全面からの見直しを進め、現在建設中の新規原発についても計画の見直しを公約している。そのうえで、今後40年以内に「原発なしの国」になることを目指すとしている。文政権は石炭火力発電についても老朽の10基を今月中に一時停止、来年にはさらに10基の停止を決めている。http://rief-jp.org/ct4/69951

 

 古里1号機は、加圧水型の原発で発電能力は576 MWe。韓国の原子力安全・安心委員会(NSCC)は、KHNPが提出した廃炉に関する技術面の検討結果を踏まえて、今回、正式に使用停止・廃炉を受け入れた。NSCCの審査は、原子炉を安全性を保ちつつ使用停止できるのかという点を重点的に行った。

 

 NSSCの決定を受けて、KHNPは今後5年以内に廃炉計画を提出する。NSSCは同原発の停止後も定期的に安全性点検の定期検査をする。

 

 文大統領は「われわれは、もはや安全とクリーンなエネルギーを目指すことで(他国に)遅れをとっていられない。石炭火力と原発を減少させ、再生可能エネルギーと天然ガスの発電を増やしていく」と化石燃料と原発からの脱却を宣言している。http://rief-jp.org/ct4/69951