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米GE 秋田県での三菱商事などによる「秋田潟上ウィンドファーム」に、22基の大型風力発電受注。100億円規模(RIEF)

2017-06-21 13:36:06

GEキャプチャ

 

 米ゼネラル・エレクトリック(GE)は三菱商事などが秋田県で進めている「秋田潟上ウィンドファーム」向けの風力発電機を受注した。出力6万6000kWの大型で、受注額は100億円規模とみられている。

 

 「秋田潟上ウィンドファーム」は、三菱商事子会社の三菱商事パワーと、風力発電を手掛けるシーテック、ウェンティ・ジャパンの3社が共同出資して設立した合同会社が運営母体。秋田市と潟上市にまたがる海岸線沿いに建設する。建設等のEPC業務は清水建設が請け負っている。

 

 GEリニュアブルエナジーが納入するのは、3.2-103風力タービン。定格出力3.2MW、風車の直径103mを意味する。22基導入する。同発電機は、GEが2014年に市場に投入して以来、全世界で販売されている。日本市場への投入に際しては、日本特有の風況や地形条件に合わせた改良が施されている。また先進的名落雷対策も取り入れられているという。2020年5月に稼働の予定で、GEは、15年間の保守契約も請け負う。

 

 GEは風力発電機の販売でグローバル市場で3位の実績を持つ。日本市場には、2014年に再参入し、発電機の販売だけでなく、最近では人工知能(AI)を活用した発電効率化の付随サービスにもちからを入れている。日本国内の大型風力発電所向け発電機市場は日立製作所と独シーメンスが中心だが、今後、GEを含めた競争が激化しそうだ。

 

 秋田県をはじめとする東北地方の北部では、風力発電に適した風況が得られることから、大規模発電所が相次ぎ建設されている。また政府の再生可能エネルギー固定価格買い取り制度(FIT)は従来の太陽光発電中心から、風力を初めとする多様な再エネ発電支援に政策の力点を切り替えていることもあり、GEは今後も風力発電機の受注増が見込めるとみて、秋田県内に初のサービス拠点も開設する。

 

 日本国内では、GEが2007年にいったん市場から撤退する前に販売した分も含めてGE製の風力発電機が4000基以上稼働している。日本市場への再参入後、GEは新たに宮崎県で稼働予定の6万4800kWの風力発電所の発電機も受注している。

 

 GEが開発したAI活用型の運営サービスは、過去の気象データと運転データを学習し、5分から1時間単位で1週間先までの発電量を予測できる。これらのデータを生かして、発電量が少ない日に保守点検ができやすくなるほか、将来は発電電力を卸電力市場に販売するタイミングも効率的に判断できるようになることが期待される。風力発電は風況によって発電量が左右されやすいが、GEの保守サービスではそうした課題を減少できるという。

http://www.ge.com/jp/b2b/power

https://www.gerenewableenergy.com/wind-energy/turbines/32-103.html