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欧州のドイツ、オランダ、ベルギーの国境を越えた脱原発の「人間の鎖」。5万人が手と意志をつなぐ(各紙)

2017-06-26 22:20:14

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  欧州で、ドイツ、オランダ、ベルギーの国境を越えて原発反対を訴える市民団体による「人間の鎖」が約90kmにわたってつながった。圧力容器に多数のひびが見つかったベルギーの二つの原発の即時廃止を求めて、国際的な市民連携がもたれた。同原発については、ドイツの環境大臣も廃止を要求している。

 

 ベルギーでは北部のドールと南部のティアンジュに原発が建設されている。ドールの4基のうち2号機、ティアンジュの3基のうち2号機が、2012年に、圧力容器に微細なひびが見つかり運転停止した。その後、いったん13年に再開が許可されたが、14年にまた別の検査で異常値が出て、再度15年12月まで再停止した経緯がある。

 

 両原発はドイツ、フランス、オランダ等の国境に近いことから、2022年までに国内の全原発廃止を決めているドイツのバーバラ・ヘンドリック環境相が昨年、「安全の課題が解決するまで、運転を停止してもらいたい」と要請している。しかし、ベルギー政府は同意していない。

 

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 今回の市民らの抗議行動は、3か国の周辺住民ら5万人超(主催者発表)が参加し、ティアンジュ原発前からオランダを経てドイツ西部アーヘンに至る約90kmの「人間の鎖」を作って、「危険な原発」の即時閉鎖を訴えた。90kmを結ぶには6万人以上が手をつなぐ必要があるが、今回は、人が足りない場所ではロープを渡すなどして「意志」をつないだ。

 

  ベルギー東部から家族と参加した男性マルティンさん(46)は「(電力会社は)安全より金もうけを考え閉鎖時期を延ばした」と主張。東京電力福島第一原発事故後も「政府は、(ベルギーに)津波は来ないから大丈夫との姿勢だ」と憤る。

 

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 ドイツのアーヘン市はティアンジュ2号機の安全対策が不十分としてベルギーの裁判所に提訴している。またドイツ政府は、フランスがドイツとの国境沿いのフェッセンハイムで操業しているもっとも古い原発の停止も求めている。

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