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商船三井、世界で初めて砕氷LNG船を投入した北極圏のヤマルLNG向け輸送で長期定期貸船契約結ぶ。温暖化のプラス面?(RIEF)

2017-07-03 15:07:21

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 商船三井は、温暖化の加速で北極海の海氷の溶融が進む中、世界で始めて砕氷機能を有したLNG船の北極圏での運航に向け、4隻のLNG船の長期定期貸船契約を締結した。ロシアのシベリア北西部ヤマル(Yamal)LNGプロジェクトのLNGを欧州の中継港に輸送する。

 

 北極圏航路に就航するのは、同社が100%出資の子会社を通じて、中国の中国海運総今司(Chna Shipping Group)と合弁で設立した船主会社が、韓国の大宇造船海洋(Daewoo Shipbuilding & Marine Engineering Co,.Ltd)に発注した新造砕氷船。砕氷LNG船を使った北極航路での輸送は世界でも初めて。

 

 ヤマル半島のサベッタ港にあるヤマルLNG基地から通年にわたって欧州の中継港に輸送する計画。夏季には、東アジア向けにも運航が可能となる。ヤマル基地のLNG生産推定量は、現在のロシア全体の半分に相当する310~360BCM(10億㎥)に達するとみられている。

 

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 就航する砕氷LNG船は、長さ299m、幅50m、17万2000㎥で、LNGの収容方式は薄膜によるメンブレン型。最大砕氷能力は氷厚2.1mの能力を持つ。アイスクラスはロシア船級ARC7、極寒地特別仕様となっている。竣工は2019~2020年の予定。

 

 商船三井は世界最大級のLNG船の保有・管理会社で、2014年に同事業に参画すると発表、砕氷LNG船を発注していた。

tp://www.mol.co.jp/pr/2017/17053.html