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中国、グリーン電力証書制度を導入。国が取引プラットフォームを設定。第一号プロジェクトとして20件の「グリーン性」を認証。来年には義務化も(RIEF)

2017-07-04 21:45:02

Chinarenキャプチャ

 

 中国は今週から、再生可能エネルギー発電の「グリーン電力認証」の取引市場を開設した。中国国家再生エネルギーセンター(CNREC)が第一号の対象となる20件の事業の「グリーン認証」を承認した。再エネ事業のグリーン性を取引することで、事業者は証書の売却で収益を得る一方、政府は補助金を削減できる。取引状況をみて、2018年の早い段階に義務化する方針。

 

 認証される「グリーン証書」の仕組みは、日本で民間ベースで自主的に行われているグリーン電力証書とほぼ同じ。再エネ発電に伴う温暖化ガス削減効果を、発電量とは別に認証する。

 

 証書の購入者はその認証されたCO2削減分を自らの削減に加えることができる。売却側は、発電に加えて追加収益を得ることができる。中国は年内に全国ベースのCO2排出権取引制度の導入を予定しており、グリーン証書もそうした取引の補完に活用されるとみられる。

 

 CNRECが認証した第一号プロジェクトは、江蘇省、山東省、河北省、新疆ウイグル自治区を含む6地区での太陽光発電や風力発電などの事業。水力関係は含まない。中国華能集団(China Huaneng Group)、中国华电集团(China Huadian Corporation)、 China Energy Conservation Investment Corporationなどが事業主体。

 

 今回発行された認証量は 230,135 件で、全体の発電量は112.5MW分に相当するという。CNRECは、登録されたグリーン認証の対象となる再エネ事業の発電状況を毎月、点検し、証書の適格性をモニターする。取引を行う国営の取引プラットフォームは今月1日にオープンした。

 

 グリーン証書の価値は、再エネ発電事業のコスト(補助金込み)を上回らない設計となっている。 現時点では、太陽光も風力も1kWh当たり0.26人民元(0.04㌦)を上限とする。取引価格は、国営取引プラットフォームで開示される価格を参照に、買い手と売り手が直接、取引するか、入札で決める。

 

 同制度では、認証を受けた再エネ事業者が「グリーン証書」を販売できるのは一度のみ。また証書を売却した事業者は、地方政府などから発電に伴う補助金を受けることはできなくなる。

 

 中国は、第一次エネルギー消費に占める再エネ発電の比率を現在の12%から2020年までに15%に引きあげる目標を掲げている。そのため再エネ事業者に対して補助金を供給しているが、エネルギー産業界の推計では、昨年はその補助金が600億人民元(約88億3000万㌦)不足したという。

 

 今回の制度は、再エネ発電を推進するとともに、公的補助を削減する両方の効果を狙っている。

http://www.cnrec.org.cn/english