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「幻の成田新幹線」用地、日本でもっとも長いメガソーラー発電所として蘇る。延長10.5km、発電量12.8MW(RIEF)

2017-07-18 17:23:37

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  成田空港と都心を結ぶために開発された旧「成田新幹線」用地を利用した日本でもっとも長いメガソーラー発電所が完成した。先週末に森田健作千葉県知事も出席する中、千葉ニュータウン中央駅付近で開所式を実施した。スパークス・グリーンエナジー&テクノロジー(SGET)が旧成田新幹線用地の千葉県内の延長約10.5kmを使って建設した。発電容量12.8MW、一般家庭4600世帯の年間消費電力をまかなえるという。

 

 成田新幹線計画は東京と成田空港を新幹線で最速30分で直結する構想として、1974年に着工された。しかし、騒音公害への懸念が強く、1983年に工事は凍結され、87年に正式に中止されている。SGETは事業主体のSGET千葉ニュータウンメガソーラー合同会社を設立、今回、用地として確保されていた千葉県白井市武西~印西市若萩の間約10kmの区間で、並行して走る北総鉄道の千葉ニュータウン中央駅から印旛日本医大駅までの間の15haの土地を所有者の千葉県から借りて、2016年4月に着工していた。

 

 太陽光発電パネルは4万7454枚敷き詰めた。土地の賃借料は1㎡当たり年額180円、固定価格買い取り制度(FIT)による発電電気の買取り価格は32円/kWh、総事業費は約44億円。

 

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 40年間の“塩漬け”状態から、メガーソーラーとして蘇った新幹線用地の活用ついて、SGETでは「2019年ラグビーW杯と2020年東京オリンピックを控え、成田空港の利用者はさらに増えると見込まれる。こうした海外から来日する人々に対して、日本の玄関としてインパクトのある風景と、震災後の日本の再生可能エネルギーへの取組みを示すシンボリックな存在となる」と期待している。

 

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  開所式に出席した森田千葉県知事は「エネルギーには限りがある。いろんな知恵と方策を含め、エネルギー基盤を造っていかなければならない」と、旧新幹線用地の実用化に感慨深げにコメントした。千葉県は2014年に、同地での太陽光発電計画を公募、SGETが事業者として選出されていた。

http://www.sget.co.jp/