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オランダのスキポール空港グループ、空港等で使用する電力を、100%国内開発の風力発電電力に切り替え。2018年1月から(RIEF)

2017-08-16 11:51:42

Schepol3キャプチャ

 

  オランダ最大の国際空港であるアムステルダム・スキポール空港など、同国内の5空港を保有する「Royal Schiphol Group」は、2018年1月から各空港などでの使用電力をオランダ国内で発電する風力発電に100%切り替えると発表した。同国の再生可能エネルギー会社、Enecoが新たに風力発電所を開発、年間200 GWhの再エネ電力を15年間にわたって同社に供給する。

 

 Royal Schiphol GroupとEnecoはこのほど、再エネ電力供給の契約を締結した。対象となる空港は、スキポール空港のほか、ロッテルダム、ハーグ、 Eindhoven、 Lelystad の各空港。5空港で使用する全電力量は年間約200 GWhにのぼる。これは一般家庭の年間消費電力でみると6万世帯分に相当する。

 

 Enecoはスキポールグループ向けに提供する風力発電設備を同国のVianen地区で建設中で、同発電所は2018年1月から送電を開始する。引き続き、新規風力を開発し、2020年1月にはすべての電力を新規風力発電でまかなうという。スキポール向けの専用風力発電設備が出そろうまでは、既存の風力などの再エネ発電からの電力を供給する。

 

再エネ電力活用で共同発表した両社のCEO
再エネ電力活用で共同発表した両社のCEO

 

 空港の再エネ100%利用は、インドのケーララ州コーチのコーチ空港が2015年に実施している。http://rief-jp.org/ct10/54343 ただ同空港は滑走路が1本の小規模空港。これに対して、欧州の国際ハブ空港でもあるスキポール空港は滑走路だけでも6本を持っており、これほどの大規模空港の再エネ100%化は、世界の空港の中でも初めてといえる。

 

 スキポールグループのCEO、Jos Nijhuis氏は「航空分野はより持続可能な体制をとる必要がある。今回のEnecoとの協力の一番重要なポイントは、われわれの保有空港すべてが対象となる点と、持続可能な再生エネルギーのすべてをオランダ国内で開発される点だ」と指摘、再エネの自給体制の重要性を強調した。

 

 EnecoのCEO、Jeroen de Haas氏は「エネルギーを多消費する産業にとって、エネルギーの転換は極めて重要。スキポールグループの選択は持続可能な方法によるもので、他の企業にとってもモデルとなる。同時に、われわれEnecoグループが進める風力発電や他の再エネへの投資を支援することにもつながる」と歓迎している。

 

 オランダのスキポール空港などは欧州各国のハブの役割を果たしており、年間7000万人(2016年)が空港を利用している。利用率は前年比比8.9%増と増加している。しかし、各国空港間の競争も激化しており、「再エネ100%空港」は競争力向上につながる期待もあるとみられる。

 

 オランダは2050年までに温室効果ガスの排出量をゼロに抑制する目標を立てている。中間目標として2023年までに再エネ比率を16%にまで引き上げる方針。今回のスキポールグループの対応も、こうした国の目標を先取りする狙いもある。

 

 

https://news.schiphol.com/royal-schiphol-group-fully-powered-by-dutch-wind-farms-from-2018/