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ユニ・チャーム 使用済み紙おむつのリサイクル処理から上質パルプの再生と、電気を発電。微生物燃料電池の電源に活用(RIEF)

2017-09-01 14:47:33

unicharmキャプチャ

 

  ユニ・チャームは、使用済み紙おむつのリサイクルと同時に発電もできる処理システムを開発した。オムツをオゾン処理して上質パルプを得るとともに、処理過程で発生する廃水を微生物燃料電池のエネルギー源に利用するもの。生み出した電気はリサイクル用プラントの稼働などに活用し、省エネ、省資源につながる。

 

  開発した技術は広島大学との共同研究によって実現した。国内で特許を取得している。使用済み紙おむつを水で分解してオゾン処理をすることで、紙おむつは再利用可能な上質パルプに再生される。しかし、この処理の過程で排出される廃水には、汚物や分解後の吸収ポリマー、微小のパルプ繊維等の不純物が含まれている。この廃水の浄化処理はこれまでは汚泥処理とされてきたが、今回、廃水を微生物燃料電池のエネルギー源に利用する技術を開発した。

 

 開発した技術は、廃水中の有機物をエネルギー源として、微生物が酸化分解することを利用した「微生物燃料電池」に活用するもの。電池に蓄えられる電気はオゾン処理装置の稼働の電源などに使うことで、リサイクル工程全体のエネルギー効率化が高まる。同社は、今後、数年間の実証を経て発電効率を実用化になるよう高めるとしていく。

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 循環型の紙おむつリサイクルシステムが軌道に乗ると、リサイクル可能な品質の高いパルプを再生することで、木材使用量を削減できる。また、水、電気の使用量も全体的に削減できる。処理プラントの省エネ化を進めることで、リサイクル工程全体の環境負荷を低減できる好循環が生まれる。

 

 現在、国内で発生する使用済み紙おむつは大半が焼却処分されている。ユニ・チャームはこれまでもリサイクル化に力を入れており、2015年には、オゾン処理による紙おむつリサイクル技術を開発している。昨年以降は、鹿児島県志布志市で、地元自治体と使用済み紙おむつを回収・再資源化する実証実験にも取り組んでいる。

 

http://www.unicharm.co.jp/company/news/2017/1206662_3926.html